2010 Fiscal Year Annual Research Report
流動性あるリン脂質自己組織化膜を用いた超高感度検出技術開発の基礎研究
Project/Area Number |
22390009
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
近藤 伸一 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90240944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 泰志 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (60336633)
葛谷 昌之 松山大学, 薬学部, 教授 (10082984)
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Keywords | リン脂質自己組織化膜 / 流動性 / プラズマ / ロタキサン構造 |
Research Abstract |
本研究は、既存の生体分子固定化技術とは異なり、流動性あるリン脂質自己組織化表面に環状分子を固定化することによりその位置の移動が可能なため、糸状分子とのロタキサン構造形成が可能となり、ロタキサン構造の形成による微量成分の高感度検出を目指す研究である。本年度は、リン脂質膜の流動性の制御と、膜表面に固定化が可能なシクロデキストリン誘導体合成について検討を行った。リン脂質自己組織化膜の流動性をその熱安定性(リン脂質膜を加熱した時の脱離挙動)より評価したところ、高分子基材表面に導入した短鎖アルキルグラフト鎖の導入率により流動性の制御が可能であることを明らかにした。また、導入するアルキルグラフト鎖の鎖長も流動性に影響を与えるが、炭素数が6以上のアルキル鎖では顕著な流動性への影響は認められなかった。自己組織化膜の厚さは、原子間力顕微鏡および光学干渉膜厚測定の結果より8~10nmであり、単分子膜ではなく3層のリン脂質層が形成されていることが示唆された。環状分子としてシクロデキストリンを選び、シクロデキストリンへの2つのカルボキシル基あるいはアミノ基の導入について検討を行った。種々の条件にて検討を行ったところ、複数のカルボキシル基あるいはアミノ基の導入が可能であることを機器スペクトル測定により確認しているが単離には至っておらず、今後精製・分離条件の検討を行っていく。また、他の環状分子として環状フェナントロリン誘導体についても検討を進めている。
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Research Products
(3 results)