2011 Fiscal Year Annual Research Report
中性子回折法による創薬標的タンパク質のリガンド認識機構の解明
Project/Area Number |
22390010
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
黒木 良太 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (30391246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城所 俊一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80195320)
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Keywords | 蛋白質 / 分子認識 / 水和 / 分子設計 |
Research Abstract |
平成23年度は、下記の3つの課題を重点的に実施した。 1.タンパク質物性の改良による大型結晶の作製 必要最小限のアミノ酸置換を導入することによって得た創薬標的蛋白質試料を用いて中性子構造解析を目的とした大型結晶の作製を試みた。結晶化実験に用いるタンパク質試料および沈殿剤の濃度を検討することによって、キナーゼの大型結晶の作製に成功した。また同様の手法を他のタンパク質の大型結晶作製にも応用し、大型結晶を得ることができた。 2.試料冷却条件の検討 より高い分解能の中性子回折データの取得は、水素原子位置の決定に大きく寄与する。そこで、試料冷却による高分解能中性子回折データの取得を目指して、大型結晶(体積>1mm^3)を再現性良く冷却する条件を探索した。 3.創薬標的蛋白質と阻害剤の相互作用解析 創薬標的蛋白質と阻害剤の相互作用を熱力学的な手法を用いて解析した。既に化学合成された阻害剤の一部は極めて親和性が高いので、まず速度論的な手法による阻害剤相互作用解析を行い、親和性を評価した。こうして得られた相互作用情報を次年度予定する中性子解析の結果と比較する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模災害に対応するという組織上の役割があり、震災後の一定期間予定した研究を中断した。大型結晶の取得が予想以上に進展したので、全体としては順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度計画する中性子回折実験が、研究用原子炉の再稼働に依存するため、現時点では実施の目処が立っていないが、再稼働を想定して計画通り研究を進める。
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