2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞運動の調節における小胞輸送と細胞骨格リモデリングの共役
Project/Area Number |
22390013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中山 和久 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40192679)
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Keywords | Arfaptin / Arl1 / Rac1 / メンブレントラフィック / 細胞運動 / BARドメイン |
Research Abstract |
ArfファミリーとRhoファミリーに共通するエフェクタータンパク質Arfaptin-2/POR1の機能の解析 低分子量GTPaseのうちで、Arfファミリーは主としてメンブレントラフィック(小胞輸送)の調節に、Rhoファミリーは細胞運動の調節に関与する。Arfaptin-2(別名POR1 ; Partner of Rac1)は、Arfファミリーに属するArllとRhoファミリーに属するRac1の共通のエフェクターであることから、小胞輸送と細胞運動を強調させる可能性がある。本年度の研究では、このArfaptin-2に関して以下のような解析を行なった。 (1) Arl1とRac1は、どちらもArfaptin-2のBARドメインと結合するが、同時には結合できないことを明らかにした。 (2) EGFP標識Arl1とmCherry標識Arfaptin-2を細胞に発現させてタイムラプス解析を行ない、ArfaptinはArl1によってトランスゴルジにリクルートされ、そこからの管状構造の輸送中間体の形成に関与することを明らかにした。また、この機能にはRac1との相互作用は関係しないことを明らかにした。 (3) Arl1とArfaptin-2の複合体のX結晶構造から、相互作用の分子基盤を明らかにした。さらに、構造から予想される相互作用にとって重要なアミノ酸に変異を導入して、相互作用に関する構造データを裏づけるとともに、この相互作用が管状構造の形成にとって重要であることを明らかにした。
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