2010 Fiscal Year Annual Research Report
配座制限環状アミノ酸の統合研究~分子設計・合成・機能化・そして創薬へ~
Project/Area Number |
22390022
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 正一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00227175)
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Keywords | 生体分子 / 薬学 / 有機化学 / 生理活性 / ペプチド / 環状アミノ酸 / 2次構造 / 非タンパク質構成アミノ酸 |
Research Abstract |
多様な配座自由度を制限した環状アミノ酸を設計・合成し、そのオリゴマーの2次構造を制御し、その3次元構造を解析するとともに、創薬シード化合物と不斉触媒の創製を目指し研究を行った。以下の4項目について実験結果をまとめる。 1.多彩変換が可能な環状アミノ酸の設計と合成:アジド基を有する環状アミノ酸、脱着可能アセタールを有する環状ジ置換アミノ酸、ラジカル環状ジ置換アミノ酸の効率的な合成経路の検討を行った。合成効率には問題を残すが、設計した環状アミノ酸が合成できた。また、それらの官能基の変換の基礎実験を行った。 2.ニューヘリカル2次構造の創製:環状アミノ酸を含有するオリゴマーの合成を液相法により検討した。また、Fmocアミノ酸を用いた固相法によりAibを含むヘテロマーの合成を行った。これらペプチド・フォールドマーのヘリカル2次構造の計算化学による予想を行った。 3.生体機能解明、生理活性アミノ酸・ペプチドの創製:アミノ酸型安定ラジカルによる生体内レドックス反応解析、生理活性オリゴマーの設計・創製のための基礎ペプチド合成実験を行った。今後、この手法により分子設計を行ったオリゴマーの合成と評価を行っていく予定である。 4.ヘリカルな不斉分子触媒の開発:合成したキラル環状アミノ酸を含有するヘリカル2次構造ペプチドを触媒として利用した不斉合成反応を開発した。特に、不斉エポキシ化反応の一般性の検討と2次構造の関係を調べた。また、不斉還元反応について検討したが、現在のところ良好な結果は得られていない。反応条件、並びにヘリカル2次構造ペプチドを修飾する必要があると考えられる。
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Research Products
(15 results)