2011 Fiscal Year Annual Research Report
配座制限環状アミノ酸の統合研究~分子設計・合成・機能化・そして創薬へ~
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22390022
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 正一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00227175)
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Keywords | 生体分子 / 薬学 / 有機化学 / 生理活性 / ペプチド / 環状アミノ酸 / 2次構造 / 非タンパク質構成アミノ酸 |
Research Abstract |
多彩な変換が可能な配座自由度制限環状アミノ酸の設計と合成を行い、そのアミノ酸からなるオリゴマーの合成とオリゴマーの2次構造解析を行うとともに、生理活性オリゴマーの創製とヘリカルな不斉分子触媒の創製を目指して研究をおこなった。以下、4項目について実験結果と研究成果についてまとめる。 1.多彩変換が可能な環状アミノ酸の設計と合成:モノアジド基を有するキラル環状アミノ酸、脱着可能アセタールを有するキラル4員環状ジ置換アミノ酸、ラジカル環状ジ置換アミノ酸の効率的な合成条件の検討を行った。条件検討の結果、キラル4員環状ジ置換アミノ酸はグラムスケールでの合成が可能となった。 2.ニューヘリカル2次構造の創製:環状アミノ酸を含有するペプチドオリゴマーの合成を液相法並びに固相法により検討した。2つのアセタールを有する環状アミノ酸をAibシークエンスの中に導入したペプチドの2次構造解析を溶液状態にて行ったが、X線結晶解析に適した結晶は得られなかった。さらに、数種類の環状アミノ酸からなるジペプチドのX線結晶解析を行った。 3.生体機能解明、生理活性アミノ酸・ペプチドの創製:ペプチド型安定ラジカルとしてエンドモルフィン2誘導体の合成を行った。さらに、生理活性ヘキサペプチド誘導体の合成を行いその活性の評価を共同研究により行っている。 4.ヘリカルな不斉分子触媒の開発:ヘリカル2次構造ペプチドを不斉触媒として利用した不斉合成反応として、不斉エポキシ化反応のNMRによる反応機構の解析をおこなった。また、1,4-付加反応、アシル化反応を検討したが、現在のところ良好な鏡像体過剰率の生成物は得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに研究実施計画の4つの項目について実験がなされた。やや遅れている箇所もあるが、計画以上に進展した箇所もあるので全体として達成度は(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
H23年度までと同様に、今後も4項目について研究を行い、特に計画以上に進展した箇所を重点的に実験を行い成果に結びつける。
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Research Products
(27 results)