2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規経口分子標的抗がん剤の体内動態・薬効の個体差解明に基づく投与アルゴリズム確立
Project/Area Number |
22390029
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
寺田 智祐 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10324641)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 薬学 / 癌 / 薬剤反応性 / 分子標的抗がん剤 |
Research Abstract |
1)透析患者におけるマルチキナーゼ阻害剤スニチニブのPK/PD解析 スニチニブは進行性腎細胞がんで承認された分子標的抗がん薬である。今回、日本人透析患者においてスニチニブのPK/PD解析を実施した。スニチニブ開始17 日目(透析日)および18 日目(非透析日)にPK解析を行ったところ、透析日と非透析日に有意な差はなかった。また各クールでの定常状態後のトラフ値に変動はなく、スニチニブ濃度はいずれも有効性を示すと考えられる50 ng/mLを超えていた。2 クール目終了後CT 評価にて肺転移巣はPR であった。1 クール目にG2 の白血球減少および血小板減少を認めた。4 クール終了後、疲労感にてスニチニブは中止となった。本症例においてスニチニブ25mg/日を4 週投与2 週休薬することで腫瘍縮小効果が得られ忍容性が示された。またスニチニブの薬物動態は透析の影響を受けず長期間、一定に推移することが示された。 2)ソラフェニブとプレドニゾロンとの相互作用 ソラフェニブはCYP3A4による酸化およびUGT1A9によるグルクロン酸抱合によって代謝される。今回、肝細胞がん患者においてソラフェニブと経口ステロイド剤のプレドニゾロンの併用療法において、薬物相互作用と考えられる症例を経験した。皮疹対策のため経口のプレドニンとの併用下でソラフェニブが投与された。プレドニゾロンは20 mg/日で開始となり、14日毎に漸減していったところ、ソラフェニブの血中濃度はプレドニゾロンの漸減とともに上昇し、G3の口内炎が発現した。ソラフェニブは減量され、それに伴い口内炎は軽減した。これはプレドニゾロン漸減により、CYP3A4の誘導作用が解除され、ソラフェニブの代謝効率が低下したものと示唆された。ソラフェニブの血中濃度の測定は、臨床上有用である可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)