2012 Fiscal Year Annual Research Report
性ホルモンによる脳内神経回路の再構成が思春期に固有の社会行動を発現する機序の解明
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22390043
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Research Institution | 東京医療学院大学 |
Principal Investigator |
佐久間 康夫 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (70094307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 昌克 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (90143239)
木山 裕子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60234390)
折笠 千登世 日本医科大学, 医学部, 講師 (20270671)
濱田 知宏 日本医科大学, 医学部, 助教 (90312058)
石井 寛高 日本医科大学, 医学部, 助教 (20445810)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | エストロゲン受容体 / 内側視索前野 / 性的二型核 / オキシトシン / 性腺刺激ホルモン放出ホルモン / GABA / ソマトスタチン / 成長加速 |
Research Abstract |
前年度に続き、エストロゲン受容体(ER) α 遺伝子の転写翻訳調節に関わる塩基配列を解析し、5' 側プロモータがERα 分子の組織特異的・時期特異的発現に関わること、転写の過程でalternate splicing によりさまざまな mRNA バリアントを生じて翻訳効率や mRNA の安定性の調節に関わることを、新たにヒトでも明らかにした。新たなERα E isoforms を見出した(Ishiiら, 2013)。ラット内側視索前野の性的二型核(SDN-POA)の生成について、かねてから細胞移動によることを主張してきたが、本年度にエストロゲンがERαの活性化の結果駆動される遺伝子カスケードを同定し、最終的にcoffilinのリン酸化・脱リン酸化により、アクチン分子の再構成により細胞移動が起こることを示した(Wada-Kiyama ら, 2013)。発情雌に対する性指向性を示さないオキシトシンノックアウト雄マウスがでも正常雄と同等の大きさのSDN-POAが存在することから、この核が雄型の性指向性を規定するという通説を否定する所見を得て、この部位のニューロンの単一放電活動を自由行動下で記録し、発情雌の提示に反応して、性的動機付けに関与する一群の細胞を同定した(Matsumotoら, 2013)。嗅上皮から脳内に移動してくる性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)産生ニューロンがKCC2の発現を欠き、細胞内塩素イオン濃度が高く、GABAA受容体の活性化が興奮を起こすこと、GABAが主要な興奮性伝達物質であることを前年度までに示した。本年度にはソマトスタチンが容積性の抑制性伝達物質であることを報じ(Koyamaら, 2012)、思春期の成長加速と性腺の活性化が時を同じくすることを説明できる所見としてEndocrinology誌の巻頭で紹介された(Suter, 2012)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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