2010 Fiscal Year Annual Research Report
飲水・摂食行動とTRPチャネルの新たな機能連関:ポストゲノムアプローチによる解明
Project/Area Number |
22390044
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 広明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10369051)
石倉 透 産業医科大学, 医学部, 助教 (70580281)
|
Keywords | 飲水行動 / 摂食行動 / TRPV1 / TRPV4 / TRPA1 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
飲水と摂食行動が密接に関連することは経験的に理解できる。本研究では、飲水・摂食行動の分子基盤を解明することを目的としている。本年度は、温度・疼痛センサーとして注目されているTRPチャネルファミリーのなかでも、浸透圧センサーなどとしても知られているTRPV1、TRPV2およびTRPA1に着目した。そこで、TRPV1およびTRPV4が飲水および摂食行動に関与している可能性を探索するためにそれぞれのノックアウトマウスを用いて飲水・摂食行動について検討した。成熟雄性野生型マウス(コントロールマウス)およびTRPV1ノックアウトマウスもしくはTRPV4ノックアウトマウスの摂食量および飲水量を経時的に測定し、比較検討した。その結果、TRPV1ノックアウトマウスでは野生型マウス(コントロールマウス)と比較して明らかに1日飲水量/体重が増加していることが判明した。TRPV4ノックアウトマウスでは野生型マウス(コントロールマウス)と比較して増加傾向であった。1日摂食量/体重については、TRPV1マウスおよびTRPV4ノックアウトマウスのいずれも野生型マウス(コントロールマウス)と明らかな差異はなかった。次に、ラット脳スライス標本を用いて視索上核に局在するバゾプレッシンニューロンへのシナプス入力に対するTRPA1アゴニストの効果について検討した。その結果、TRPA1アゴニストが興奮性シナプス入力を有意に増加させることと抑制性シナプス入力には影響を与えないことを明らかにした。
|
Research Products
(10 results)