2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経発達障害におけるインターフェロン誘導性膜タンパク質IFITM3の機能解明
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22390046
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 清文 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (30303639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 博之 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (70402568)
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Keywords | IFITM3 / 神経発達障害 / 統合失調症 / アストログリア / polyI:C / 動物モデル / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
妊婦のウイルス感染は胎児の脳・神経発達に影響して統合失調症の発症リスクを高めるが、その分子機構はほとんどわかっていない。本研究の目的は、新生仔期の合成二本鎖ポリヌクレオチド(polyI:C)処置により誘発されるマウスの神経発達障害におけるインターフェロン誘導性膜タンパク質(IFITM3)の役割を解明することである。平成23年度は以下の研究成果を得た。 1.IFITM3のインビトロ機能解析:PolyI:C処置によりアストログリア細胞から産生されるグリア因子を同定するために、polyIC処置グリア細胞条件培地(polyI:C-ACM)に含まれるタンパク因子をLC-MS/MSを用いて網羅的に解析し、IFITM3の下流で神経発達に関与する候補分子を同定した。また、polyI:C処置したアストログリア細胞およびIFITM3を過剰発現したCOS7細胞において、IFITM3は初期エンドソームに特異的に発現し、クラスリン依存性および非依存性エンドサイトーシスを抑制した。 2.IFITM3-KOマウスの脳病理解析:ゴルジ染色によりpolyI:C処置マウスの前頭葉皮質第II/III層の錐体神経細胞の形態を解析した。PolyI:C処置により野生型マウスではスパイン数の減少が認められたが、IFITM-3-KOマウスではスパイン数の変化は認められなかった。 3.GFAPプロモーター制御下にアストログリア細胞にIFITM3を過剰発現するGFAP/IFITM3-TGマウスの作製:常法ではIFITM3-TGマウスを得ることが困難であった。そこで、ウイルスベクターを用いて新生仔マウスおよび成獣の大脳皮質アストログリア細胞にIFITM3を過剰発現させるため、ウイルスベクターの構築に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発を目指したGFAP/IFITM3-TGマウスの作製が困難であったが、これは想定の範囲内であり、代替法としてウイルスベクターを用いたin vivo発現系を構築中である。その他の実験は、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い、IFITM3下流シグナルの解明を目指す。また、polyI:C処置マウスの脳神経発達の異常がIFITM3過剰発現マウスで再現できるかどうか検討する。
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Research Products
(18 results)