2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390050
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
乾 誠 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70223237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 健 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30457311)
倉増 敦朗 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90302091)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 心不全治療薬 / ホスホランバン / アプタマー / 心筋小胞体 / カルシウム輸送 |
Research Abstract |
本研究では、心筋小胞体Ca2+輸送の調節蛋白質であるホスホランバンに特異的に結合する一本鎖オリゴヌクレオチド(アプタマー)を利用した新たな心不全治療薬の開発を行ってきた。その結果、これまでに血中で安定、かつ高力価の修飾RNAアプタマーであるRNA-Apt-30を開発してきた。 本年度は、単離心筋細胞及びin vivoの心臓で効果が得られる様に改良し、さらにその効果の確認を行った。RNA-Apt-30を心筋細胞内のホスホランバンに作用させるには、細胞内へのアプタマーの導入が必須である。このため、まず一般のDNA、RNAの細胞内導入に使われる陽イオン性脂質によるリポソーム導入法やナノ粒子を利用した種々の導入法を検討した。しかし、いずれの方法でもアプタマーの導入効率が十分でないか、或いは細胞内へのCa2+流入を増加させ心筋細胞機能を低下させた。次に、細胞透過性ペプチドを結合したRNA-Apt-30を検討した。細胞透過性ペプチドとしてAntennapedia、TATなどを検討したが、いずれも一過性のCa2+流入による機能低下が認められた。そこで、TAT内の塩基性アミノ酸を非塩基性に換えた修飾TATペプチド(mTAT)を結合させたmTAT-RNA-Apt-30を合成し、検討した。その結果、このアプタマーは、Ca2+流入による機能低下を示さず、高率に細胞内に導入され、ラット成獣心筋細胞の収縮力増強と弛緩促進作用を示した。これらに対応する細胞内Ca2+濃度変化も認められた。さらに、MLPノックアウトマウスを用いた心不全モデルにおいても、尾静脈への投与4時間後、著明な心機能の改善が認められた。 以上の検討から、mTAT- RNA-Apt-30は、血中での安定性が高く、心筋弛緩能を促進させ、心不全に有効な新たな強心薬であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)