2012 Fiscal Year Annual Research Report
BMP受容体変異を伴う細胞増殖性疾患の分子基盤の解明
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22390059
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
別府 秀幸 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (20550479)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 癌 / 大腸ポリープ / 遺伝子改変マウス / BMP / 受容体 |
Research Abstract |
BMPR2遺伝子欠損マウスに発生する大腸ポリープの解析結果より間質細胞におけるBMPR2遺伝子の機能が上皮細胞の腫瘍化において重要な役割を担うことが明らかとなった。すなわち、BMPR2遺伝子欠損間質細胞からの何らかのシグナルが上皮細胞の増殖を促進させることが示唆された。これらの遺伝子改変マウスの大腸ポリープはヒトにおける若年性ポリポーシス症候群と病理学的に類似している。 そこでBMPR2遺伝子欠損線維芽細胞からRNAを抽出し、cDNAマイクロアレイにて遺伝子発現の変化を正常細胞と比較を行った。遺伝子発現が増加していたものにendoglin, lipocalin2, CD34, prostaglandin E synthetaseなどが認められた。特にCD34はヒトの消化管間質腫瘍(GIST)での腫瘍マーカーであり、CD34が若年性ポリポーシス症候群の発症機構にも何らかの影響を及ぼすことが示唆された。またBMPシグナルの欠損あるいは減弱はNF-kBシグナルの亢進を引き起こすことも見出した。さらに、このNF-kBシグナルによってCD34は発現誘導されることが本研究によって明らかとなった。線維芽細胞にCD34遺伝子を過剰発現させ、正常マウス乳腺上皮細胞(NMuMG)との共培養を行なうとNMuMG細胞の増殖が促進される結果も得た。またSmad1の発現をsiRNA法で抑制するとNF-kB (p65)のリン酸化が亢進することも確認した。したがって、Smadを介した経路がNF-kBの活性化調節に関与している可能性が考えられた。これらの結果より間質細胞でのBMPシグナル異常がNF-kBシグナルを活性化し、CD34発現を誘導し、さらに上皮細胞の腫瘍化に関わっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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