2010 Fiscal Year Annual Research Report
核内受容体PPARの機能に着目したC型肝炎関連肝癌の予防法の開発
Project/Area Number |
22390060
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
青山 俊文 信州大学, 医学系研究科, 教授 (50231105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 厚 信州大学, 医学系研究科, 准教授 (70126697)
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Keywords | C型肝炎 / コア蛋白 / PPAR活性化 / 肝発癌 / ミトコンドリア障害 / 脂肪肝 / フィブラート / 酸化ストレス |
Research Abstract |
HCVコア蛋白トランスジェニックマウスを増殖し、1グループ25匹以上のオスマウスに対して、次記の各処置を継続的に施した。(1)PPARαアンタゴニスト:MK886を4mg/kg/dayにて経口投与(2)PPARαサプレッサー:ケノデオキシコール酸を35mg/kg/dayにて混餌投与(3)エイコサペンタエン酸(EPA)を200mg/kg/dayにて経口投与---体重増加が見られるため、2ヶ月目より300mg/kg/dayに増量(4)臨床用量(8mg/kg/day)のベザフィブレートを投与するも、体重増加を抑制できないため、12mg/kg/dayに増量(5)臨床用量(4mg/kg/day)のフェノフィブレートを経口投与(6)必須リン脂質(EPL)を350mg/kg/dayにて混餌投与(7)自由摂食グループの55%当量の食事量で2週間維持したところ、体重が激減したので、75%当量~70%当量にして、6週間以上観察した結果、70%当量が体重維持に最適な摂食量であることが分かり、カロリー制限グループとしてその措置を長期継続した。 本研究計画は発癌頻度結果を得るまでに、1ストローク24ヵ月の連続飼育・処理を要する。本年度においては、約180匹のトランスジェニック・オスマウスを調整し、処理を継続し、生後9ヵ月経過時点で、1グループ4匹の解剖を行った。(3)~(7)グループは体重量がほぼ一定に保たれ、脂肪肝・高中性脂肪血症・内臓脂肪蓄積などの病変は一切検出されなかった。24ヵ月経過時点で、肝発癌率が著しく低下することが期待される。(1)および(2)のグループは、予期されたとおり、体重が漸「増し肥満傾向にあるが、皮下脂肪蓄積が顕著であるものの、内臓脂肪蓄積や脂肪肝はほとんど見出されなかった。PPARαの作用が抑制されており、肝発癌が生じないことが期待される。
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Research Products
(3 results)