2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390064
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
池田 恭治 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 運動器疾患研究部, 部長 (00222878)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 生体分子 / 発生・分化 / 老化 |
Research Abstract |
RANKLの細胞特異的な病態生理機能を明らかにする目的で、RANKL floxマウスを作出しosterix-Creマウスとの交配により骨芽細胞系列特異的なRANKL遺伝子の欠損モデルを作製し解析した。エストロゲン欠乏による閉経後骨粗鬆症のモデルである卵巣摘除を行ったところ、骨芽細胞系列でRANKLを欠損すると骨量減少はほとんど起こらないことが明らかになった。一方、CD4-creマウスとの交配によってT細胞においてRANKLを欠損したモデルを解析したところ、ベースラインでの骨量はわずかではあるが優位に対照群より多いことが明らかになった。一方、卵巣摘除に対しては、対照群とほぼ同程度の骨量減少が起こったことから、エストロゲン欠乏に対する破骨細胞の活性化には、T細胞ではなくて骨芽細胞系列が発現するRANLが主役を果たすことが示唆された。さらに、関節リウマチにおけるRANKLの産生源を解析する目的で、導入したKRN-TCRTgマウスをNODマウスと交配してK/BxNマウスを作出して血清をプールした。プール血清を野生型B6マウスに移入したところ、足関節の腫脹などの炎症所見と関節周囲の骨の変化を観察した。骨芽細胞系列でRANKLをKOしたマウスにおいては、炎症所見の軽減はないものの、骨びらんが軽度緩和しているとの予備的な所見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり骨芽細胞およびT細胞特異的なノックアウトマウスを作出し、機能解析も進んでいる。予想外に骨芽細胞自体におけるRANKLの機能を示唆する所見を得たので、その確認とメカニズム解析に多くの時間を費やしている。
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Strategy for Future Research Activity |
骨細胞でのRANKLの生理機能に関する論文があいついでnature medicineに発表された。我々の研究結果と異なる点もあり、骨芽細胞系列とT細胞での機能比較を主体に早急に論文にまとめて投稿する予定である。
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