2010 Fiscal Year Annual Research Report
内皮リパーゼを標的とした動脈硬化治療法の新たな戦略-遺伝子改変ウサギを用いた研究
Project/Area Number |
22390068
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
範 江林 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (60272192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 智也 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (40432158)
北嶋 修司 佐賀大学, 総合分析実験センター, 准教授 (70284643)
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Keywords | リパーゼ / HDL / 動脈硬化 / 高脂血症 / ウサギモデル |
Research Abstract |
本年度では内皮リパーゼを過剰発現させるトランスジェニックウサギの作製と内皮リパーゼアンチセンスの合成及び投与実験を行った。肝臓で特異的に発現できるコンストラクトplivHEG/LE6を用いて16羽のドナーから476個のウサギ受精卵へのマイクロインジェクションを行い、11羽の仮親ウサギへの移植を行った。4羽のウサギの妊娠が確認されたが、出産したのは1羽のみであった。産まれた3羽の子ウサギには、内皮リパーゼ遺伝子導入されたポジのウサギが確認できなかった。現在、新しく精製したDNAコンストラクトを用いてマイクロインジェクションを継続している。ISIS社との共同研究の一環として、ウサギ内皮リパーゼアンチセンスの合成を行った。90種類の候補より、ウサギ培養肝細胞のEL発現を強力的に抑制できる内皮リパーゼアンチセンス2種類が選定できた。それぞれを合成し正常JWウサギ(6羽)に静注より6週間投与した。コントロール群と比べて、内皮リパーゼアンチセンスの投与により、肝臓での内皮リパーゼmRNAの発現量が約50%低下していることが判明した。また、6週間後の血中の高密度リポ蛋白値は上昇している傾向を示しているが、総コレステロールや中性脂肪の変化は認められなかった。リポ蛋白分画をHPLCにより分析した結果、粒子の大きい高密度リポ蛋白のコレステロールとリン質の量が内皮リパーゼアンチセンスの投与により著しく上昇していることが認められた。同様の方法で内皮リパーゼアンチセンスを高脂血症動物モデルであるwHHLウサギに投与したが、著明なHDL変化は認められなかった。現在、WHHLウサギの動脈硬化変化を調べている。
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Research Products
(7 results)