2011 Fiscal Year Annual Research Report
内皮リパーゼを標的とした動脈硬化治療法の新たな戦略ー遺伝子改変ウサギを用いた研究
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22390068
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
範 江林 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (60272192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 智也 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (40432158)
北嶋 修司 佐賀大学, 総合分析実験センター, 准教授 (70284643)
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Keywords | EL / ウサギ / 高脂血症 / HDL / 動脈硬化 / アンチセンス / 遺伝子改変 |
Research Abstract |
本年度では引き続き内皮リパーゼを過剰発現させるトランスジェニックウサギの作製と内皮リパーゼアンチセンスの投与実験を行った。2回目の実験では、肝臓特異的に発現するコンストラクトplivHEG/LE6を用いて562個のウサギ受精卵へのマイクロインジェクションを行い、21羽の仮親ウサギへの移植を行った。そのうち、7羽の仮親ウサギの妊娠が確認され、7羽の子ウサギを出産した。Southern blot並びにPCR法にて測定した結果、内皮リパーゼ遺伝子が導入されたポジのウサギはいなかった。現在は、新しく精製したDNAを用いてのチャレンジを続けている。ISIS社より提供されたウサギ内皮リパーゼアンチセンスを用いて正常JWウサギ並びにWHHLウサギに静注実験を行った。センス投与群と比べて、内皮リパーゼアンチセンスの投与により、JWウサギの血清高密度リボ蛋白値が上昇している傾向が確認されたが、総コレステロールや中性脂肪の変化は認められなかった。リボ蛋白分画をHPLCにより分析した結果、粒子の大きい高密度リボ蛋白のコレステロールとリン質の量が内皮リパーゼアンチセンスの投与により、著しく上昇していることが認められた。同様の方法で内皮リパーゼアンチセンスを高脂血症動物モデルであるWHHLウサギに投与した。WHHLウサギの血清高密度リボ蛋白値の変化はJWウサギと同様であったが、ELアンチセンスの抗動脈硬化作用は認められなかった。以上の結果をまとめた論文を、2o12年のJAT誌に発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウサギのELアンチセンスの合成や抗ウサギEL抗体の作製などは予想よりもやや遅れているが、In vivo実験自体は順調だと思われる。また、EL遺伝子導入には未だ成功していないが、さらにチャレンジすることにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
EL・Tgウサギの作製には未だ成功していない。考えられる原因としては、導入する遺伝子の質と量、マイクロインジェクションの技術などが挙げられる。現在、これらの原因を考慮しながら、確率を上げるべく努力している。
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Research Products
(12 results)