2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22390078
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山川 和弘 独立行政法人理化学研究所, 神経遺伝研究チーム, チームリーダー (30241235)
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Keywords | ダウン症 / マウス / DT40 / 遺伝子 / 高効率 / 21番染色体 / 16番染色体 / 疾患モデル |
Research Abstract |
本研究では、高組み替え効率を有するトリB細胞DT40を利用してHC21に相同なマウス16番染色体(MC16)の部分トリソミーを有するDSモデルマウス、およびトリソミー上の遺伝子をノックアウトしたマウスを高効率に作成し、トリソミーマウスに於いてDS精神遅滞の背景をなすと思われる生化学的/生理学的/行動学的/組織学的異常を見いだし、更にノックアウトにより当該候補遺伝子のみが2コピーになったトリソミーマウスおけるそれらパラメーターの改善の有無を検証することにより、HC21相同MC16上の主要責任遺伝子を同定し、それらを通してダウン症精神遅滞の発症機序を明らかにすることを目的としている。今年度は、DT40細胞内にて作出したHC21相同MC16部分染色体(Ts1Cjeセグメント相当)を持つCHO細胞をマイクロセル化し、マウスES細胞に導入後、G418でスクリーニングすることにより、当該セグメントを部分トリソミーで有するES細胞を得ることに成功した。更には、これを用いてマウスを作製し、これらマウスについて、現在当該染色体の完全性の検証を行っているところである。またTs2Cjeトリソミーセグメントに相同な領域や、更にその領域を分断した領域を持つMMU16なども並行してDT40内で作成中である。これらは、候補領域の更なる絞り込みに強力なツールとなる。更には複数種の候補遺伝子についてノックアウトしたセグメントを持つDT40細胞およびマウスの作成も並行して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DT40細胞内にて作出したHC21相同MC16部分染色体を保持するマウスES細胞の作成に成功し、マウス個体の作成にあとわずかのところまで到達した。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス完成後には、これらマウスについてミトコンドリアの機能障害、活性酸素種の増加、タウ蛋白の過剰リン酸化、脂質過酸化の亢進、脳室拡大、神経新生の異常の有無の検証、オープンフィールドテスト、新規物体に対する反応性のテスト、恐怖条件付け試験、受動的回避学習試験、Y迷路試験などを用いた行動学的異常の検出、海馬CA1錐体細胞およびDG(歯状回)穎粒細胞での長期増強について検討を加えることにより、HC21相同MC16上の主要責任遺伝子を同定し、それらを通してダウン症精神遅滞の発症機序を明らかにすることを目指す。
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