2010 Fiscal Year Annual Research Report
ガス壊疽菌の病原性に関与する調節RNA分子の探索と機能解析
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22390081
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
清水 徹 金沢大学, 医学系, 教授 (80235655)
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Keywords | 病原性 / 遺伝子発現調 / ウェルシュ菌 / 調節RNA |
Research Abstract |
平成22年度は144のIGRにおける低分子RNAの探索を行った。まず144のすべてのIGRを増幅するPCR用のプライマーを設計し、委託合成を行った。これらの144のプライマーセットを用いて、ウェルシュ菌染色体DNAを鋳型としたPCRによりIGR DNAの増幅を行い、それらのDNAをアルカリフォスファターゼにより標識し、DNAプローブを作製した。ウェルシュ菌野生株から培養2, 3, 4時間後の全RNAを調製し、作製したIGRプローブによりノザンハイブリダイゼーションを行い、RNAの転写の有無を確認していったところ、144のIGR領域の中で明らかに転写産物が認められたのは53領域であることが明らかになった。 このハイブリダイゼーション実験を計二回行ったところ、すべての結果が一致していた。転写されているRNAのサイズを計測すると、約50 baseから500 baseの長さを持つ低分子RNAであることが判明した。これらのRNAサイズはすべてIGRの長さより短いことが確認され、明らかにIGRの中から転写されるRNA(IGR-RNA)であることも確認された。 このIGR-RNAの転写が見られたIGRのDNA配列を再度解析してみると、該当領域にはタンパク質ヲコードする領域(ORF)が存在しない事も確認され、IGR-RNAはいわゆる低分子RNAとして機能している可能性が高い、と推測された。 さらに、培養開始からの時間経過による増減(増殖時期によるIGR-RNA発現量の変化)の解析も行い、IGR-RNAの発現パターンは、培養時間の経過とともに増加していくもの、減少していくもの、増加から減少へと時期により変化するもの、など多様な発現パターンを持つことが示唆された。この実験については23年度も再現性をみる実験を行い、53のIGR-RNAの発現パターンによる分類等を行う予定である。
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Research Products
(2 results)