2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクター・ピロリVacA毒素受容体の多機能解析
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22390084
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平山 壽哉 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (50050696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯本 一 長崎大学, 大学病院, 准教授 (90322304)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ヘリコバクター・ピロリ / VacA / 細菌毒素 / VacA受容体 / 毒性発現 / 毒素作用 / 毒素受容体 / ピロリ菌 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、これまでVacA受容体の同定に用いた方法をスケールアップして、VacA抗体による免疫沈降によって得られるVacAと結合する蛋白質の解析を進めた。免疫沈降物に認められた蛋白質のMass解析した結果、約5種類の膜蛋白をVacAと結合する候補蛋白(そのうちの2種はRPTPαとRPTPβ)として認めた。なかでも、p500は、精製後に供したLC/Mass 解析によりLRP1(低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1、low-density lipoprotein receptor-related protein 1)であることが判明した。LRP1の発現抑制を目的としたsiRNA処理により標的細胞膜上でのVacA結合とそれにつづくVacAの細胞内への移行が著明に抑制された。 興味深いことにVacAはLRP1との結合を介してAZ-521細胞にオートファジーを誘導し、他のVacA受容体では誘導されなかった。LRP1 がオートファジー誘導に関与する初めての知見であり、VacAによる過剰なオートファジー誘導はアポトーシス誘導を引き起こすことも示された(これらの成績をJ.Biol.Chem. 2012に発表した)。加えてピロリ菌の発癌リスク因子であるエフェクター蛋白質 CagA が VacA 誘導性のオートファジーにより分解されるが、LRP1抑制細胞では CagA のオートファジー分解が阻害されて細胞内蓄積することが明らかとなった。ピロリ菌によって細胞内に打ち込まれたCagAは、通常、オートファジーによって分解・排除されるが、CD44v9を発現するいわゆる「がん幹細胞」では、細胞内にCagAを溜め込んでいくことも判明した(Host Cell & Microbe 2012に発表)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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