2011 Fiscal Year Annual Research Report
PSGL-1受容体を介するエンテロウイルス71感染・病原性発現の分子的基盤
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22390092
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
清水 博之 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 室長 (90270644)
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Keywords | ウイルス / 感染症 / エンテロウイルス / PSGL-1 / 受容体 / 手足口病 |
Research Abstract |
我々は、ヒト白血球から、手足口病および重症中枢神経疾患の原因ウイルスであるエンテロウイルス71(EV71)の機能的受容体分子としてP-selectin glycoprotein ligand-1(PSGL-1)を同定した。EV71の感受性細胞への感染初期過程および病原性発現の分子基盤の解明のため、EV71受容体PSGL-1のEV71感染増殖および病原性発現における役割を解析した。 1.PSGL-1結合性・非結合性EV71株のカプシド領域アミノ酸の比較解析に基づく感染性クローンへの特異的変異の導入により、PSGL-1結合性を規定するアミノ酸部位として、VP1-98およびVP-145を同定した。 2.PSGL-1受容体依存性および非依存性EV71感染・病原性発現機構を解析するため、PSGL-1結合に関与するアミノ酸のみが異なる感染性クローン由来PSGL-1結合株(02363-EG株)とPSGL-1非結合株(02363-KE株)を調整し、ウイルス学的性状を解析した。 3.PSGL-1結合株および非結合株を、カニクイザルに感染し、病原性発現、異なる組織におけるウイルス増殖、ウイルス・病変の局在、免疫炎症反応、個体内でのウイルス遺伝子変異等について比較するため、カニクイザル細胞を用いた予備的検討を実施した。 4.PSGL-1発現レベルの異なる培養細胞におけるEV71感染増殖を解析し、Jurkat細胞等PSGL-1高発現細胞だけでなく、ウイルス分離・増殖に用いられるRD細胞におけるウイルス分離・継代時に、PSGL-1受容体依存的適応変異(VP1-E145G等)が高頻度に出現することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究で、EV71特異的受容体であるPSGL-1とEV71の結合に必要とされる受容体領域およびウィルス側部位について詳細な解析を実施し、重要な知見が得られた。受容体-ウイルス相互作用に関する新たな知見をもとに、PSGL-1結合に関与するアミノ酸のみが異なる感染性クローン由来PSGL-1結合株(02363-EG株)とPSGL-1非結合株(02363-KE株)を作製した。
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Strategy for Future Research Activity |
受容体-ウイルス相互作用に関する新たな知見をもとに作製したPSGL-1結合株および非結合株EV71株を用いて、in vivoにおけるPSGL-1依存性ウイルス増殖・病原性発現機構を解析するため、今年度は、用いたカニクイザル感染実験を実施する。感染実験に使用するカニクイザルについては、前年度に購入済みで、すでに、カニクイザル由来細胞を使用した予備的検討を開始している。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Hand, Foot, and Mouth Disease Caused by Coxsackievirus A6, Japan, 20112012
Author(s)
Fujimoto T, Iizuka S, Enomoto M, Abe K, Yamashita K, Hanaoka N, Okabe N, Yoshida H, Yasui Y, Kobayashi M, Fujii Y, Tanaka H, Yamamoto M, Shimizu H
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Journal Title
Emerg Infect Dis
Volume: 18
Pages: 337-339
DOI
Peer Reviewed
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