2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22390098
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
鈴木 春巳 国立国際医療研究センター(研究所), 免疫病理研究部, 部長 (70235985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 国宏 国立国際医療研究センター(研究所), 免疫病理研究部, 研究員 (00573007)
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Keywords | 胸腺 / 分化 / シグナル伝達 / 正の選択 / 自己免疫 |
Research Abstract |
正の選択に必須な新規遺伝子Themis(Gasp)の機能解析を行った。研究実施計画の通り、Themisノックアウトマウスにおけるシグナル伝達について検討を行った。OT-I-TCR-TGを用いた実験系で、選択前DP細胞にMHCテトラマーで刺激を入れ、ERKを初めとする様々なシグナル伝達分子のリン酸化を検討したが、これまでのところKOとWTの間で差異は見られていない。したがって、Themisが直接TCRシグナル伝達に関与しているかどうかはいまだ不明である。しかしながら、Themisは刺激依存性にチロシンリン酸化を受け、LAT、PLCγ、Sos等と結合することから、TCR刺激を受けるとLATシグナロソームに取り込まれるものと考えている。Themisの分子内ドメイン、CABIT1およびプロリンリッチ配列(PRS)を欠失したThemis分子のトランスジェニックマウスをThemis KOに交配し、Themis分子内ドメインの機能を検証したところ、いずれのマウスにおいても、Grb2との結合、刺激依存性リン酸化、および正の選択の誘導が阻害されており、CABIT1およびPRSドメインがThemisの機能発現に必須であることが示された。さらに、FoxP3-Creマウスを用いて、Treg特異的Themis欠損マウスを作製した。Tregの機能が阻害され、Treg欠損型と同様の自己免疫疾患を誘発することを期待したが、発症はみられず、ThemisはTregの機能に必須ではないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Themis分子の機能解明には未だ至っていないが、ドメインの重要性、とくに新規のCABITドメインの重要性が解明できたことは大きな進歩である。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫電顕や共焦点蛍光顕微鏡などの手法により、Themis分子の局在、特に核における局在を明らかにする。現在、我々は、Themisが正の選択におけるシグナル伝達の細胞内局在(特に核内におけるシグナル伝達)を司っているという新たなモデルを提唱しており、その実験的検証に力を注ぐ。
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Research Products
(4 results)