2011 Fiscal Year Annual Research Report
救急医療機関を一元的に管理するユビキタス時代における救急医療のIT化戦略
Project/Area Number |
22390100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢作 直樹 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60158045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越塚 登 東京大学, 情報学環, 教授 (40262266)
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
末永 英之 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (10396731)
松原 全宏 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40361498)
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Keywords | 情報システム / 救急医療 |
Research Abstract |
現在の救急医療における救急情報管制システムは,リアルタイム性に欠け,主に電話回線による口頭による情報伝達に頼り,最新の情報・通信技術を十分に生かしているとはいえない。また,救急医療においては,「救急車要請後,受け入れ先が決まるまでに多数の病院に照会を必要とし,病院到着までに時間を要する」といったことが社会問題化している。一方,インターネット,携帯電話,衛星通信,全地球測位システム(GPS)などの情報・通信技術の発展は著しく,このような最新の情報・通信技術を積極的に導入することが,安全管理上の重要な役割を果たすと考えられる。ユビキタスコンピューティングは,あらゆるモノに,あらゆる場所に,センサーや通信機能を備えたコンピュータを組み込み,世界を情報のネットワークとして構造化していくという構想である。その重要な要素技術であるユビキタスID技術は,モノ・空間・概念を等価に識別する固有の番号ucode(ubiquitous code)に基づいた情報流通基盤技術であり,これによって,現実世界の「モノ」や「場所」を自動識別した処理を行うことができる。病院にいる医師側と現場にいる救急隊側の状況が互いにリアルタイムに共有して把握することが必要で,本研究では,搬送先をリアルタイムに把握して最速でスムーズに誘導する救急搬送をより適切かつ迅速にサポートする「ユビキタス型救急医療支援システム」により新しい救急医療体制の構築を行なう。 本年度は、受入先医療機関の選定等に必要な患者情報の入力、これら患者情報をエージェントシステムへ送信、及び、エージェントシステムからの医療機関情報(医療機関の位置情報、医療スタッフ情報等)の受信ができ、当該医療機関情報を基に当該医療機関までの最速な経路誘導を可能とする車載型救急医療マイクロプラットフォームを開発した。これにより、病院にいる医師が現場にいるような感覚で患者の状態をリアルタイムに把握できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書の内容と進行状況がほぼ同一のため。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に研究計画調書の通り、ユビキタスネットワーク救急医療支援システムの実証実験を実施する。具体的には、開発したシステムの完成度を高めるとともに、その有効性等を検証するため、医療機関等における実証実験を行う。システムを統合した上で、医療機関及び救急車両にこれらシステムを設置し、有効性等を検証するための実証実験を行う。また、実証実験に先立ち、適宜仮想環境を設定し事前の確認を行うなど十分な準備を行う。ユビキタスネットワーク救急医療支援システムの有用性を評価する。これには、仮想病院の医師が携帯する医療用ユビキタス・コミュニケータにおいて、現場にいるような感覚で患者の状態をリアルタイムに把握できるか、脈拍・血圧・血中飽和酸素濃度・体温などのデータと映像の伝送により、仮想傷病者のトリアージが可能かどうかを確認することにより医療用ユビキタス・コミュニケータおよび車載型救急医療マイクロプラットフォームの評価をおこなう。また、仮想病院にユビキタス空間情報システムを設置して、手術中や処置中でなく医師が受け入れ可能かどうかの状況を管理可能か確認することによりユビキタス空間情報システムおよびエージェントシステムの評価をおこなう。これらにより、エージェントシステムと車載型救急医療マイクロプラットフォームとを通信で接続する広域ユビキタスネットワークシステムの利便性、問題点の抽出、課題の確認を検証する。
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