2011 Fiscal Year Annual Research Report
シミュレーション教育の体系化と共同利用による効率的な臨床医学教育改善に関する研究
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22390102
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
奈良 信雄 東京医科歯科大学, 医歯学教育システム研究センター, 教授 (00142258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 利哉 新潟大学, 教育研究院・医歯学系, 准教授 (90216416)
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Keywords | シミュレーション教育 / 臨床技能 / 臨床実習 / 基本的医療処置 / 救命救急処置 |
Research Abstract |
現有のシミュレーション教育用設備・機器、および昨年度に購入したレールダル次世代型シミュレータSimMan 3Gを活用し、シミュレーション教育を効果的に実施できるシステムを構築し、体系化したシミュレーション教育システムを用いて医学生、研修医、コメディカル等を対象にしてシミュレーション医学教育を実施した。それとともに、シミュレーション医学教育の効果を検証するために、シミュレーション教育を受けた学生に成果を確認した。この結果、シミュレーション教育は臨床技能を修得する上で有効な教育技法であることが確認された。 シミュレーション教育の応用は、医学生を対象にした臨床実習、研修医やコメディカル職員を含めた講習会などにおいて、診察技法、基本的医療処置、救命救急処置のトレーニングなどにおこなった。また、鏡下手術トレーニングや血管内インターベーションなどの専門医向けのトレーニングも実施した。 シミュレーション教育の普及を図るための共同利用では、国内2大学、海外2施設からの見学(合計4名)を受け入れ、シミュレーション教育の実情と成果を教示した。また、医学部を卒業後、結婚・出産・育児等の理由で一旦離職している女性医師に対し、シミュレーション教育で臨床技能の再教育を展開し、医療現場への復帰を支援した。さらに医学部を志す受験生を対象にしたシミュレーション教育の実状を紹介する機会を設け、870名の小中高校生や保護者等が参加した。 また、国際交流を進める観点からはドイツのミュンヘン工科大学医学部を訪問し、シミュレーション施設の見学と、シミュレーション教育の改良を目指した意見交換を行い、当施設におけるシミュレーション教育の改善に役立てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度に開始した本研究ではシミュレーション教育の確立と普及を目指している。昨年度も継続した研究を行い、シミュレーション教育は一層の充実が行われ、かつ普及させるために国内外の研究者と連絡をとり、講習会活動を行って、所期の目的は達成してきている。この成果を来年度にも続け、より一層の向上を目指す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究で確立したシミュレーション医学教育を医学生、研修医、コ・メディカル等を対象に進め、医療技術の向上に役立てる。さらに共同利用を推進するために、講習会やシンポジウムを開催してシミュレーション教育の有用性を広めていく。また、国内外の研究者との交流もさらに深め、シミュレーション教育の普及活動を行う。 これらの成果を公表し、日本全体の医療技術の向上に貢献したい。
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