2011 Fiscal Year Annual Research Report
多施設共同参加による針刺し切創予防のための対策指向モニタリングシステムの開発研究
Project/Area Number |
22390108
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
吉川 徹 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (50332218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 一博 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究主幹 (90072660)
小木 和孝 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主管研究員 (90124312)
毛利 一平 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (70275345)
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Keywords | 針刺し / 職業感染 / エピネット / サーベイランス / HIV / C型肝炎 / 医療事故 / 安全器材 |
Research Abstract |
本研究は、多施設共同参加による針刺し切創等による血液媒介病原体への曝露予防のための対策指向モニタリングシステムの開発研究を行うものである。平成23年度は、代表研究者が参加する職業感染制御研究会(JRGOICP)内のワーキンググループ(JESWG)により、1)ネットワーク参加病院(n=78,2009;n=76,2011)に対しエピネット日本版を用いて実施したサーベイランス結果を用いて器材別等リスク対策の検討、2)職種・業務アプローチによる曝露予防プログラム開発を行った。その結果、1)13年間の変化として、(1)全体に占める看護師の割合が減り、医師の割合が増加、(2)病室・病室外の針刺しの割合が減り、手術部の割合が増加、(3)感染症確定患者におけるHCVが占める割合が減少傾向、(4)発生状況ではリキャップ、使用後廃棄までの割合が減り、使用前、器材の分解、廃棄容器関連の針刺しの割合が増加傾向、(5)原因器材は注射針、翼状針、縫合針、静脈留置針が全体の6割を占め、翼状針では安全器材による針刺しが占める割合が増加していた。分析結果を各施設にフィードバックした。またウエブで公開(http://jrgoicp.umin.ac.jp/)した。2)また、今後のプログラム開発視点として、安全器材の誤作動や機能的な未成熟性に起因する受傷の分析調査、国内導入済みの安全機能付きの器材の導入割合の検討、縫合用の鈍針の普及率と施設内に占める使用割合比、使用場面の解析、中小病院・診療所での対策等が必要と指摘された。【まとめ】自発的参加の仕組みによる各施設で入力可能な定型報告書式を用いたサーベイランスシステムの構築とdatabase構築が可能であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は2011年3月11日に発生した震災の影響があり、病院ネットワークつくりと相互訪問の機会を作ることが困難であった。しかし、当所目的の全国サーベイランスの実施は可能であった。持続的なサーベイランスシステムの構築を進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
・ネットワーク化された病院へのデータフィードバックを行う ・得られたデータを多面に分析した結果を学術誌で公表する ・各施設における報告率を調査して、データの質を担保する ・ウエブページでの情報提供を強化する。 ・海外、特にエピネット日本版のオリジナル版の開発者であるバージニア大学のJanine Jagger教授に助言を得る。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] The AutoShield[○!R] Pen Needle is useful for preventing accidental puncture during insulin injection to others (other-injection)2012
Author(s)
Fumiatsu Yakushiji, Yoko Funaki, Kanako Yamakawa, Akiko Kudo, Hiroshi Fujita, Mutsuko Yasuda, Akihiro Nishimura, Kaoru Nagasawa, Hitoshi Ishido, Toru Yoshikawa, Hiroyuki Kinoshita
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Journal Title
Journal of Diabetes Science and Technology
Volume: 14
Pages: 723-4
Peer Reviewed
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