2010 Fiscal Year Annual Research Report
癌の診断・予後判定に有用な遺伝子マーカーの前向き研究による開発と臨床検査への応用
Project/Area Number |
22390115
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
日野田 裕治 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10165128)
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Keywords | 大腸癌 / 腎細胞癌 / DNAメチル化 / Wntシグナル経路 / FFPE |
Research Abstract |
大腸癌について次の成果を得た。 1)糞便中のTwist1遺伝子メチル化を検出する大腸癌診断法確立のために、大腸癌患者の糞便サンプルについて検討を開始し、抽出したDNAを冷凍保存してサンプルを蓄積中である。 2)大腸癌組織(120例)から抽出したmRNAについてWnt11遺伝子発現の定量PCRを実施し、臨床病期の進展に伴って上昇すること、予後不良例(術後再発・死亡例)で有意に高値であることを明らかにした。さらに、Wnt11の遺伝子導入細胞を作成して、本遺伝子が大腸癌細胞の増殖および運動・浸潤に促進的に働くことも示した。 3)大腸癌化学療法の全国他施設共同研究によるパラフィン包埋切片サンプル(112例)を使用してKRAS、BRAF、PIK3CA遺伝子の変異、UGT1A、Fc・R遺伝子の多型を解析した。臨床病理学的データは現在各施設から収集中であるが、パラフィン包埋切片を利用した遺伝子検査法について、保存期間、固定法、PCRの諸条件等について基礎的検討を実施し報告した。 腎細胞癌について次の成果を得た。 1)Wntシグナル経路の抑制因子であDKK4、SFRP3について遺伝子導入細胞を作成して機能的検討を行った。その結果、DKK4が腎細胞癌に対しても抑制的に作用し、その機序としてnoncanonicaol経路の関与を明らかにした。一方、SFRP3については、腎細胞癌ではがん遺伝子として増殖・浸潤・転移に促進的に働くことを明らかにした。 2)腎細胞癌179例についてRASSF1遺伝子のメチル化定量を行った。その結果、進行期ほど頻度が高く、多変量解析で独立した予後因子であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)