2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390125
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
原田 規章 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70116747)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOSSAIN Mahbub 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80535336)
宮下 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50124889)
黒沢 洋一 鳥取大学, 医学系研究科, 教授 (50161790)
石竹 達也 久留米大学, 医学部, 教授 (60232295)
谷川 和子 宇部フロンティア大学, 人間社会学部, 准教授 (00321224)
|
Keywords | 手腕振動症候群 / 病態 / 診断 / ガイドライン |
Research Abstract |
手腕振動症候群(振動障害)の診断方法には各国の研究者・施設において差異がある。わが国では1970年代に体系化された末梢機能検査法を基軸とする診断方法が確立し、当時の労働省通達によって全国に普及し現在も使用されている。一方、ISOにおいて手腕振動症候群の末梢循環検査法と振動知覚検査法の国際標準化が行なわれた。このような国際動向およびこの30年間の研究蓄積とこの間の医学の進歩を踏まえ、日本産業衛生学会振動障害研究会では手腕振動症候群の新しい診断体系提案のための作業グループ(WG)を2008年5月に設置した。このWGの活動と関連し、手腕振動症候群の病態と新しい検査法の検討、システマティックレビューを行なうことによって、わが国における診断体系を刷新し、標準化された新しい診断体系と症度区分・診断基準による「診断ガイドライン」を作成し、国内外に発信することが本研究の目的である。 手腕振動症候群の主要な症状である循環障害、神経障害、運動器障害に分け、振動障害研究会の当該WGメンバーを主とする研究協力者を含めてサブグループを構成しての検討を継続した。循環系、神経系、運動系の各サブグループで分担し、この30年間の研究の進歩を踏まえて現行の診断体系の意義と問題点を整理した。さらに、国内外における手腕振動症候群の診断に関わる文献のシステマティックレビューを行った。それらの成績を集約し冊会議等において全メンバーによる検討を行い、新しい診断ガイドライン案を作成し完成に向けて検討を継続中である。その結果の一部については平成23年6月にオタワで開催された第12回国際手腕振動学会等で報告するとともに、平成24年5月に名古屋で開催される日本産業衛生学会等において発表予定である。また、1987年度秋から冬にかけて西日本4県において実施した手腕振動症候群の病態に関する大規模疫学調査の際に、後日分析のために残され山口大学衛生学教室で-80℃冷凍保存されている、全身寒冷負荷前後の血清試料を用いて、手腕振動症候群の診断に寄与する病態検討のための分析の準備を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災により予定されていたWG会議が延期になるなどの影響を受けたが、これまでに8回にわたるWG会議での検討が続いている。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度に向けて、ガイドライン案を完成させ、国外からの招聘研究者との討議を含めた、研究集会での関連研究者との討議を行う。
|
Research Products
(3 results)