2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子破壊メダカとニワトリBリンパ球細胞を使用した化学物質の複合影響評価
Project/Area Number |
22390126
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
河野 公一 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30111016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 宏泰 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (60340551)
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Keywords | 環境化学物質 / 変異原性 / 遺伝子修復経路 / メダカ / バイオアッセイ / ハイスループット |
Research Abstract |
遺伝子破壊メダカによるアッセイは、遺伝子破壊があるメダカ個体を選別するための方法がコストの上で最も実用化に障害となると考えられた。そのため、HRMの条件等により効率的な遺伝子破壊スクリーニング方法を考慮している。 ニワトリBリンパ球(DT40)によるバイオアッセイは順調に進んでいる。大阪医大で高性能ルミノメーターが使用可能となったことも相まって現在、様々な化学物質をスクリーニングしている。現在、ATPによる細胞増殖曲線とカスパーゼ活性によるアポトーシス誘導によるスクリーニングを行っている。また、SLX4の遺伝子破壊DT40細胞を作成し、その表現型を見た。 現在はカドミウムによるDNA障害について、様々な遺伝子修復欠損細胞を用いてその機序を解明しようとしている。カドミウムはそして、Preliminary Dataであるが、モノクロロ酢酸(MCA)は水道水の塩素添加の副産物であるが、DNA障害をきたすことが明らかになった、しかしそれだけでなくMCAはアポトーシス阻害剤としての作用を有する可能性が示唆された。通常、DNA障害をうけ修復不可能になった細胞はアポトーシスを起こすが、アポトーシスが起きないということはDNA障害、つまり変異を持った細胞が生き残ると考えられる。我々の仮説としては強く癌化に寄与すると考えられる。こういったDNA障害とアポトーシス阻害を同時にきたす化学物質は今まで知られておらず、通常飲用する水道水に含まれていることもあり公衆衛生学的に重要であり、さらなる研究が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ニワトリBリンパ球を用いたアッセイは当初の計画以上に進展している。しかし、メダカは遺伝子破壊スクリーニングを安価で行う方法を見つけないと誰もができる実験でなく、実用性に欠き、現在検索中である。
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Strategy for Future Research Activity |
メダカは遺伝子破壊スクリーニングを安価で行う方法を見つけないと誰もができる実験でなく、実用性に欠き、現在検索中である。High resolution melting (BRM)による条件設定はPCRの条件よりも、そのメダカ検体の処理、DNA量、純度、量、ロボットによる会注を簡単にする等の工夫が必要である。 DT40によるバイオアッセイは順調に進んでいるが、さらに簡便なバイオアッセイをハイスループットに解析できる系を立ち上げてゆく。
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Research Products
(3 results)