2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渋谷 健司 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50322459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 俊也 国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (90193200)
佐藤 敏彦 北里大学, 医学部附属臨床研究センター, 教授 (10225972)
森 臨太郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70506097)
池田 奈由 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20573603)
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Keywords | 政策評価 / 危険因子 / 平均寿命 / 危険因子比較分析 / 非伝染性疾病 / 死亡 |
Research Abstract |
日本人の主要死因である非伝染性疾病による成人死亡への寄与度は、我が国では従来、各危険因子について個別に分析され、危険因子間での比較が困難であった。このことを踏まえて、本研究では複数の重要な危険因子の寄与度を包括的に評価し、保健政策介入の優先順位づけと資源配分を決定するために必要な科学的根拠を提供することを目的として、危険因子比較分析(comparative risk assessment, CRA)を以下の手順で実施した。 1. CRAと我が国における非伝染性疾病と傷害の危険因子の管理に関する国内外の専門家からの意見を得て、我が国で分析可能かつ公衆衛生上重要な危険因子と関速傷病を包括的にリスト化した。 2. 国民レベルの危険因子の分布と相対危険度に関するデータを収集するため、(1)相対危険度に関する先行研究の系統的レビューと(2)官庁統計調査個票データの目的外使用申請(国民健康・栄養調査、循環器疾患基礎調査、国民生活基礎調査、人口動態統計)、(3)関連コホート研究との連携を行った。 3. CRA手法を用いて人口寄与割合と死因別寄与死亡数、平均寿命への寄与度を危険因子別に推定し、危険因子間で比較した。さらに、複数の循環器疾患危険因子が合同で及ぼす効果も推定した。 以上の結果、日本国民の健康の向上のためには、禁煙や高血圧予防・治療を始めとして、生活習慣や食生活を改善するための有効な介入政策への取組をより一層強化する必要があることが示された。また、メタボリック・シンドローム等、複数の循環器疾患関連因子の管理の有効性が確認された。本研究成果は、国内の保健医療政策施策の抜本的な改善のための重要な参考資料であり、さらに戦後、短期間で世界一の平均寿命を達成した我が国の情報を国外に発信することにより、世界各国の保健医療政策に多大な貢献が可能であると予想されることから、主要な国際学術雑誌へ投稿中である。
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