2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血モデル神経細胞を用いた脳内病態解析の法医学的展開
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22390141
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
猩々 英紀 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (60284626)
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Keywords | 脳虚血 / 脳虚血モデル神経細胞 / 3次元画像解析 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
脳虚血を伴う脳出血、脳梗塞およびクモ膜下出血などの脳血管疾患は3大死因の1つである。従って、脳虚血の脳内病態を詳細に検討し、法医診断マーカーを検討する事は非常に重要である。ミトコンドリアは細胞内のエネルギー産生(酸素呼吸)において中軸的な役割を担うと共に、アポトーシスなど細胞の生と死の両面に対して重要な役割を有する細胞内小器官である。一方、脳虚血は細胞の生存に必要な酸素や栄養源の供給不足を引き起こすと考えられており、ミトコンドリアの酸素呼吸能および細胞死に直接関与している可能性がある。そこで、脳虚血モデル神経細胞を用いて脳虚血に伴うミトコンドリアの形態や活性の変化を調べ、これらの変化が法医診断マーカーとして有用であるかについて検討する。本研究では脳虚血の脳内病態を明らかにすると共に、法医学への展開を検討する事を目的とする。 当該年度は脳虚血に伴うミトコンドリアの形態の変化を調べるために、高分解能蛍光顕微鏡Delta Visionを用いて3次元画像解析の条件検討を行った。培養細胞(初代大脳皮質神経培養細胞及び対照細胞:HeLa細胞)を用いて、ミトコンドリア特異的蛍光試薬(Mito Tracker Deep Red FM、Red 580、Red CMXRos、Green FM、Mito-ID Red Detection Reagent)の染色特性を調べた。生細胞条件下では、各染色試薬において特異性や染色性に差異が認められ、高い蛍光強度を有していた。一方、4%パラホルムアルデヒドを用いた固定条件下では、全ての蛍光試薬で著しい蛍光強度の低下が認められ、正確なミトコンドリア像を取得することが困難であった。そこで、GFPなどの蛍光蛋白質をミトコンドリア内に発現させて固定後の3次元像を構築し、上記蛍光試薬の結果と比較する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳虚血モデル神経細胞を作製し、神経細胞の虚血処理時間依存的な変化(生存率や形態など)について検討しており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ミトコンドリア特異的蛍光試薬を用いた培養細胞の染色において、固定後の細胞では著しい蛍光強度の低下を認めた。そこで、GFPなどの蛍光蛋白質をミトコンドリア内に発現させて3次元画像を構築し、上記、蛍光試薬の結果と比較検討する予定である。これにより、高解像度顕微鏡を用いてミトコンドリアの正確な3次元画像を構築する。また、平成22~24年度の結果から、脳虚血に伴うミトコンドリアの形態や活性の変化を調べ、これらの変化が法医診断マーカーとして有用であるか明らかにする。
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Research Products
(2 results)