2011 Fiscal Year Annual Research Report
サルコペニア(老化に伴う筋萎縮)の機構解明ならびにその治療戦略の確立
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22390143
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
葛谷 雅文 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10283441)
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Keywords | サルコペニア / 運動 / 骨髄移植 / 老化促進マウス |
Research Abstract |
後肢懸垂マウスによるサルコペニアモデルの確立を断念し、Senescence-Accelerated Mouse(SAM)P10を使用したモデルの構築を目指した。SAMP1012月齢での下腿の筋肉量を検討したところ、SAMR1(老化抵抗系)と比較し、明らかに下肢筋肉量の低下ならびに組織的に筋肉繊維の萎縮を認めたためにそれ以降SAMP10を実験に使用した。SAMP10ならびにSAMR1を両マウス2群に分割し、運動介入群と対象を作り比較検討した。運動群は5月齢(21週齢)に運動を開始、5月間運動を継続し10月齢(42週齢)で筋肉を取り出し評価する。運動:週に3回(月、水、金)一回15m/min,45min(開始時さらに終了時5minは8m/minでウォームアップ・クールダウン時間を取り入れる)(合計で45min) Endurance stress test(持久力テスト):運動開始時から一か月おきに実施。マウスをトレッドミルのラインにのせ、初めの5minはウォームアップとして8m/minで走らせ、その後2分ごとに1m/minづつスピードを上げ、マウスが最終的にトレッドミルの端っこにへたり込むまでの時間(分きざみ)を測定する。現在4か月間の介入が終了しているが、明らかにSAMP10ではR1に比較し運動持久力が低下し、SAMP10の運動介入群では持久力が回復している。来月下肢筋肉を採取し質的な評価を実施する。 またサルコペニアへの骨髄細胞の影響を明らかにするため、9月歳のSAMP10マウスへの3月齢のC57BL/6の骨髄移植を実施した。全身投与ではなくSAMP10の脛骨内腔への移植を実施したところ、100%生存し、現在経過観察し、12月齢で組織評価を計画している。またこのモデルでは研究協力者の事前検討ではこの骨髄由来細胞はSAMP10マウスの骨格筋形成に少なからず関与することも明らかにされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初老齢マウス(18月齢)を使用する計画であったが、外部からの入所が困難であり、当施設で長期飼育していたマウスが死滅したりして、計画が十分遂行できなかったが、老化促進マウス(SAMP10)の使用に切り替え、運動介入、骨髄移植の実施まで完了することができ、当初の予定に追いつけるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後骨髄移植の下肢サルコペニアへの影響を、栄養(beta-Hydroxy-beta-Methylbutyrate)ならびに運動のコンビネーション効果を明らかにして行く。現在若年マウスの骨髄を老年SAMP10へ移植しているが、逆に老年SAMP10骨髄を若年野生型マウスに移植した時にサルコペニアを誘導するか否かも追加研究としたい。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Osteoarthritic change is delayed in a Ctsk-knockout mouse model of osteoarthritis2012
Author(s)
Kozawa E, Nishida Y, Cheng XW, Urakawa H, Arai E, Futamura N, Shi GP, Kuzuya M, Hu L, Sasaki T, Ishiguro N
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Journal Title
Arthritis Rheum
Volume: 64
Pages: 454-64
DOI
Peer Reviewed
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