2012 Fiscal Year Annual Research Report
サルコペニア(老化に伴う筋萎縮)の機構解明ならびにその治療戦略の確立
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22390143
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
葛谷 雅文 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10283441)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 老化 / サルコペニア / 動物 |
Research Abstract |
Senescence-Accelerated Mouse (SAM)-SAMP10 8週齢へのGreen fluorescent protein (GFP) トランスジェニック・マウス(由来系統:C57BL6)の骨髄移植の実験より、末梢血のフローサイトメトリーの結果からはほぼ97%骨髄が入れ替わり、100%生存する系を確立した。非移植群、移植群とも25週齢~40週齢までの運動介入群(週3日間の45分間のトレッドミル運動)、非運動介入群との比較、を実施した。40週齢における下腿筋肉組織ではGFPマウスの骨髄を移植した群では運動介入群で40-50%、非運動介入群で10-20%GFP陽性筋肉細胞を認めた。 また、明らかに運動介入群において、非介入群と比較しトレッドミル試験における運動持久力は増強していた。さらに、移植、非移植群での比較は、移植群+運動介入群において運動持久力はもっとも顕著であった、これより、筋肉の再生には骨髄由来前駆細胞の役割が重要であることが明らかにされ、さらに老化過程において骨髄由来の筋芽細胞の数、活性が低下することがサルコペアニの一因である可能性が示唆された。 なお、老化したSAMP10 にGFPマウスの骨髄を移植する系も検討したが、放射線照射g@委嘱したとしても生存するマウスが極端に少なく、老化した後の移植が困難であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した実験計画は遂行できたが、今後の研究推進方策でも記載したが、当初の予定よりn数が若干少ない。これは骨髄移植は成功したものの実験途中で死亡したマウスが出現したためである。現在、既に追加実験を実施し、当初計画したn数以上のマウスを実験に使用中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、それぞれのn数を増やすこと、さらに筋肉の組織・生化学的解析によりタンパク質、遺伝子解析を計画している。まず、現在GFPマウスの骨髄移植後、全てのプロトコールを終了したSAMP-10が合計8匹(運動介入群:n=5, 非運動群:n=3)、非移植SAMP-10が合計10匹(運動介入群:n=5, 非運動群:n=5)である。また現在野生型C57BL6マウス骨髄移植後で32週齢のSAMP-10が計7匹(運動介入群:n=3, 非運動群:n=4)が実験中である。今後、平成25年度にさらにGFPマウス骨髄移植SAMP-10 4匹(運動介入群:n=2, 非運動群:n=2)、野生型C57BL6マウス骨髄移植10匹(運動介入群:n=5, 非運動群:n=5)、さらに非移植SAMP-10 計6匹(運動介入群:n=3, 非運動群:n=3)を追加し、上記の筋肉の組織・生化学的解析によりタンパク質、遺伝子解析を実施する。
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Research Products
(5 results)