2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝幹細胞ニッチ制御と骨髄幹細胞の分化誘導に基づく肝再生治療戦略
Project/Area Number |
22390152
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
稲垣 豊 東海大学, 医学部, 教授 (80193548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅原 孝之 東海大学, 医学部, 教授 (20246200)
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Keywords | 肝線維化 / 肝再生 / 幹細胞 / Notch / Jagged-1 |
Research Abstract |
末期の肝硬変症例に対する唯一の根治的治療法は肝移植術であるが、ドナー肝臓の圧倒的な不足のために実施症例はごく限られているのが現状である。新たな治療法を確立することが社会的にも重要かつ急務であることを鑑み、我々は肝硬変症例に対する新たな線維化改善と肝臓再生促進治療法の開発に繋がる基礎研究を推進している。 肝臓は本来、再生能力に長けた臓器であり、例えばマウスの肝臓を3分の2切除しても、およそ1週間から10日で元の大きさに復元する。ところが、線維化が進行すると肝細胞の再生が阻害され、充分な回復ができなくなる。この時に駆り出されるのが、肝細胞の源となる「幹細胞」である。我々は、肝線維化の進行と、この幹細胞の動員との関連を握る重要な因子として、幹細胞の表面に発現するNotchという受容体と、それに結合するJagged-1に着目した。Jagged-1遺伝子を人為的に欠損させたマウスを用いて実験を行った結果、生後の肝臓の発達や上記の部分肝切除後の再生にNotch/Jagged-1が重要なはたらきを果たしていること、Jagged-1の欠損は正常な肝臓の発達や再生を妨げるとともに肝臓に線維化を引き起こすことを明らかにした。すなわち、肝臓の線維化と再生は密接に関連しているという今回の成果をもとに、肝硬変症に対する新たな再生治療法の開発を目指したい。
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Research Products
(16 results)