2011 Fiscal Year Annual Research Report
肝幹細胞ニッチ制御と骨髄幹細胞の分化誘導に基づく肝再生治療戦略
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22390152
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
稲垣 豊 東海大学, 医学部, 教授 (80193548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅原 孝之 東海大学, 医学部, 教授 (20246200)
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Keywords | 肝線維化 / 肝再生 / 幹前駆細胞 / Notch / Jagged-1 |
Research Abstract |
末期の肝硬変症例に対する唯一の根治的な治療法は肝移植術であるが、ドナー肝臓の圧倒的な不足のために実施症例はごく限られているのが現状である。肝移植に替わる新たな治療法を確立することが社会的にも重要かつ急務であることを鑑み、我々は肝硬変症例に対する新たな線維化改善と肝臓再生促進治療法の開発に繋がる基礎研究を推進している。 肝臓は本来、再生能力に長けた臓器であり、例えばマウスの肝臓を70%切除しても、'1週間から10日で元の大きさに復元する。ところが、線維化が進行すると肝臓の再生が阻害され、充分な回復ができなくなる。この時に駆り出されるのが、肝細胞の源となる「幹細胞」である。我々は、肝線維化の進行とこの幹細胞動員との関連を握る重要な因子として、幹細胞の表面に発現するNotchという受容体と、それに結合するJagged-1に着目した。全ての肝臓構成細胞でJagged-1遺伝子を人為的に欠損させたマウスでは、生後間もなくから不規則な胆管増生と周囲の星細胞の活性化、ならびに著明な線維の蓄積が認められた。一方、肝細胞特異的にJagged-1を欠損させたマウスにおいては、門脈域の胆管周囲に星細胞の活性化と線維の増生を認めたが、胆管構造には異常は見られなかった。 これらの所見からは、肝臓の発達や再生にNotch/Jagged-1シグナルが重要なはたらきを果たしていること、肝細胞におけるJagged-1の欠損は肝線維化を、また非実質細胞における欠損は肝前駆細胞の挙動を制御している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝線維化と再生の病態形成におけるNotch/Jagged-1シグナルの意義が、Jagged-1の発現細胞により差異があることが判明し、線維肝に対する再生治療戦略を考える上で、重要な基礎的知見をもたらした。
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Strategy for Future Research Activity |
Jagged-1遺伝子欠損によって動員されだ肝組織幹前駆細胞がいかなる運命を辿るか.特にその癌化の可能性について検証し、肝線維化と再生、さらには発癌の病態連繋を明らかにする。 これは、肝細胞癌の90%以上が硬変肝を背景に発症するという特殊性を考えた場合に、治療戦略上も大きな意義を有する。
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Research Products
(17 results)