2010 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化Smadを介する肝発癌機構の遺伝子改変マウスを用いた解明
Project/Area Number |
22390153
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松崎 恒一 関西医科大学, 医学部, 准教授 (70278638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 和一 関西医科大学, 医学部, 教授 (70145126)
関 寿人 関西医科大学, 医学部, 教授 (70163087)
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Keywords | TGF-β / Smad / シグナル伝達 / 肝発癌 / 肝線維化 |
Research Abstract |
TGF-βシグナル伝達におけるSmadリン酸化は、その細胞生物学的機能解析にとって重要である。これまで我々は、『ウイルス性慢性肝疾患における癌化過程では、C末端がリン酸化したSmad3 (pSmad3C)を介する癌抑制シグナルが、中央部に位置するリンカー部がリン酸化したSmad3 (pSmad3L)を介する癌化シグナルへ変遷するため発癌しやすい環境が形成される』と報告した。そこで今回我々は、肝細胞特異的にpSmad3Lが形成されない遺伝子改変動物を用いると、かかる癌化シグナルが癌抑制シグナルに回帰するかを、発癌抑止の改善、さらに生命予後の延長と合わせて検討する。 本研究では、肝細胞Smad3ノックアウトマウスにリン酸化部位を欠くSmad3を発現するトランスジェニックマウスを交配させることで、内因性Smad3の影響を受けずにリン酸化Smad3シグナルを肝細胞特異的に阻害するマウスが得られる(現在進行中)。本マウス肝組織におけるシグナルは、病理組織学的に解析し、発癌率と合わせて検討する(関担当)。肝組織から肝細胞を初代培養し、TGF-βシグナル伝達を分子生物学的に解析する(松崎担当)。細胞生物学的意義は、DNA合成能とアポトーシス誘導能を指標に調べる(岡崎担当)。癌化から癌抑制へのSmad3シグナルの変遷、発癌率低下が確認されれば、癌化シグナルの可逆性が証明される。
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[Journal Article] The specific linker phosphorylation of Smad2/3 indicates epithelial stem cells in stomach ; particularly increasing in mucosae of Helicobacter-associated gastritis.2011
Author(s)
Fukui T., Kishimoto M., Nakajima A., Yamashina M., Nakayama S., Kusuda T., Sakaguchi Y., Yoshida K., Uchida K., Nishio A., Matsuzaki K., Okazaki K.
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Journal Title
Journal of Gastroenterology
Volume: 46
Pages: 456-468
Peer Reviewed
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