2010 Fiscal Year Annual Research Report
CCR4-NOT複合体による心機能制御の分子機構の解明研究
Project/Area Number |
22390155
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
久場 敬司 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10451915)
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Keywords | CCR4-NOT / CNOT3 / RNA / 心不全 / QT時間 / 転写 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
CCR4-NOT蛋白複合体は、種間で保存された遺伝子発現調節因子であり、主に転写調節とmRNA分解の2つの活性を介して遺伝子発現制御の中心的役割を担う。私達はゲノムワイドなショウジョウバエin vivo心不全スクリーニングから、CCR4-NOT蛋白複合体の構成因子Cnot3がヒトやマウスでも心機能調節に重要な役割を担うことを見出した。本研究はCCR4-NOT蛋白複合体による心機能制御のメカニズムの解明を目的とし、平成22年度は下記の3項目について検討を行った。 1)Cnot3遺伝子欠損マウスの心電図QT時間、不整脈の解析:Cnot3ヘテロ遺伝子欠損マウスの新生仔を用いて不整脈や突然死の原因となるQT時間の変化を心電図で測定したところ、Cnot3欠損マウスで有意にQT時間が延長し、房室ブロックなどの不整脈の発症を認めた。網羅的な遺伝子発現解析から、この不整脈発症には、RNA代謝異常が関与していることが示唆され、とりわけCCR4-NOT複合体の生物活性のひとつであるmRNAのpoly-A鎖の脱アデニル化(デアデニレース)が原因であることが考えられた。 2)デアデニレース欠損マウスの心電図QT時間、不整脈の解析:CCR4-NOTの構成因子でデアデニレース活性をもつ因子の遺伝子欠損マウスを共同研究で作製し、その心電図を解析したところ、Cnot3欠損マウスと同様にデアデニレース欠損マウスはQT時間の延長を認めた。よって、CCR4-NOT複合体は、mRNAのpoly-A鎖の脱アデニル化を介して心臓の正常な洞調律の制御に寄与していることが分かった。 3)CCR4-NOT構成因子の遺伝子欠損マウスの作製:CCR4-NOT構成因子で遺伝子の完全欠損により胎生致死となるものについて、Cre-loxPによる条件付け遺伝子欠損マウスを2系統、新たに作出した。現在、心筋特異的な遺伝子欠損マウス作製のためのCreマウスとの交配を行っている。
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Research Products
(6 results)