2010 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞感受性分子の網羅的プロテオーム、ゲノム解析による疾患発症機構の解明
Project/Area Number |
22390162
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
尾崎 浩一 独立行政法人理化学研究所, 循環器疾患研究チーム, 上級研究員 (50373288)
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Keywords | 心筋梗塞 / BRAP / 新規BRAP結合タンパク / 炎症 |
Research Abstract |
心筋梗塞感受性遺伝子BRAPがコードするタンパクに結合する新規分子をS-tagを用いたプルダウン法により行い、ペプチドマスフィンガープリンティング(PMF)分析により網羅的に解析した。PMF分析によりBRAPタンパク結合候補タンパクとして同定した分子はそれぞれの分子をS-tagやMyc-tagあるいはFLAG-tagとのタグタンパク質として調整し、順次COS7細胞を用いた免疫沈降法により結合の確認を進めた。ここで結合の確認がとれた分子群についてはさらにその遺伝子が存在するゲノム領域の連鎖不平衡ブロックよりタグ一塩基多型(tag SNPs)を選択し、心筋梗塞DNA、一般集団DNAそれぞれ約1,000例を用いたケース・コントロール関連解析を行っている。現在までにBRAPの結合タンパクとしてRASA1 (RAS p21 protein activator (GTPase activating protein) 1)、RASSF6 (Ras association (RalGDS/AF-6) domain family member 6)、TRAP1 (TNF receptor-associated protein 1)、TRAF5 (TNF receptor-associated factor 5),、SHC4 (Src homology 2 domain containing) family, member 4)、NFKBIB (nuclear factor of kappa light polypeptide gene enhancer in B-cells inhibitor, beta)、IKBKB (inhibitor of kappa light polypeptide gene enhancer in B-cells, kinase beta)を同定している。これらの分子のほとんどは炎症に関連しているものであり、BRAPが炎症の過程で重要な働きをしていることが示唆された。
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