2010 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体上皮細胞の加齢におけるATP6AP2/(プロ)レニン受容体の機能と標的治療
Project/Area Number |
22390171
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
市原 淳弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60203105)
|
Keywords | 細胞・組織 / 循環器・高血圧 / 生体分子 / 糖尿病 / 老化 |
Research Abstract |
我々が新たに開発した腎糸球体上皮細胞特異的(プロ)レニン受容体欠損(Pod(P)RRcKO)マウスでは、糸球体上皮細胞の老化によって著明な蛋白尿が発症し寿命が短縮する。(プロ)レニン受容体から可溶性部分が外れるとATP6AP2というV-ATPaseに結合する蛋白の前駆体となる。V-ATPaseは細胞内小器官のpH管理と細胞内小器官同志あるいは細胞膜との癒合に必須の蛋白であるが、ATP6AP2がV-ATPaseに与える影響はこれまで全く検討されていない。本計画では、慢性腎臓病の発症と進展に関わる病態として糸球体上皮細胞の加齢に焦点を当て、ATP6AP2としての(プロ)レニン受容体の新たな第3の機能を解明することを研究目的とする。平成22年度において、(1)Pod(P)RRcKOマウス腎臓のスリット膜関連蛋白発現と細胞内V-ATPaseサブユニット発現とライソトラッカー法による細胞小器官内酸性環境を確認し、(2)Floxed(pro)renin receptor mouseの胎児より分離培養した初代線維芽細胞を用いて、Cre発現アデノウイルス感染による(プロ)レニン受容体ノックアウトが、細胞内V-ATPaseサブユニット発現を障害し、細胞小器宮内pHを上昇させることによって、細胞内小器官のスリット膜関連蛋白の細胞内輸送を障害することを明らかにした。FITC標識beads法によるpH測定は、初代培養細胞の死滅により繰り越し延期になった。
|