2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390175
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田中 章景 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30378012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 元 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20148315)
勝野 雅央 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50402566)
飯島 正博 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40437041)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 孤発性ALS / dynactin1 / 神経変性 / オートファジー / 線虫モデル |
Research Abstract |
孤発性ALSは進行性の致死的神経変性疾患であり、現在でも有効な治療法は確立されていない。このため、孤発性ALSの病態を反映する新規疾患モデルの開発が望まれている。本研究では、ALS患者の脊髄運動ニューロンにおけるdynactin1遺伝子の発現低下を再現する動物モデルの作成と解析を行っている。これにより、患者でみられるdynactin1の発現低下がALSの神経変性にとってどのような意義を有するかを明らかにする目的で研究を遂行した。 ALS患者の変性した運動ニューロンにはオートファゴソームが集積することが近年明らかになってきており、我々もこの現象を確認している。オートファゴソームやいくつかのオルガネラ、蛋白はdynein/dynactin複合体によって軸索上を輸送されるため、dynactin1遺伝子の発現低下に基づく軸索輸送障害がオートファジーの障害を引き起こし、神経変性に至るという仮説に基づき研究を行った。 我々が作成した運動ニューロン特異的dynactin1ノックダウン線虫は、著明な運動障害と軸索変性を呈した。そして、この線虫モデルにおいても、変性した運動ニューロンでオートファゴソームの輸送障害と集積が生じていることを明らかにした。さらに、オートファジーを活性化するラパマイシンと軸索輸送を促進するトリコスタチンの両者を投与することによって、このモデルの運動障害と軸索変性を著明に改善させることを見いだした。これらの結果から、dynactin1の発現低下が運動ニューロン変性を引き起こすことが明らかとなり、オートファゴソームの輸送は運動ニューロン疾患における新規の重要な治療ターゲットになると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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