2012 Fiscal Year Annual Research Report
新しい磁気刺激(QPS)による神経疾患治療の開発:その基礎生理と臨床応用
Project/Area Number |
22390181
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
宇川 義一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50168671)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シナプス可塑性 / 磁気刺激 / 反復磁気刺激 / BDNF / パーキンソン病 / quadripulse stimulation |
Research Abstract |
人の脳が、新しい事を学習したり・状況変化に対応したりする脳の柔軟な能力は、シナプスの可塑性という機序によることが判明している。人の脳を頭蓋骨の外から刺激して、この可塑性(柔軟性)を誘導する方法(QPS)を我々は開発した。この3年間で行った研究の概要を述べる。 1 QPSへのBDNF多型の影響 これまで報告されていたすべての刺激法が、BDNFの多型により影響された。そこで、QPSでの効果誘導の度合いとBDNF多型との関連を検討したが、QPSの誘導効果はBDNF多型に影響されなかった。2 QPSの安全性に関して 検討したすべてのパラメータが、刺激の前後で変化する事はなく、QPSの安全性が確認された。3 QPS刺激での対側運動野の血流変化と刺激直下でのQPS刺激中の脳血流変化:NIRSによる解析 QPS5, 50共に、同側でも対側でも、またQPS5でLTPを誘導しても、QPS50でLTDを誘導しても、刺激中には同様に刺激部位で血流の低下を呈した。すなわち、刺激中には電気的な影響としては、どちらでも同様な効果を呈しており両方向性はないが、長期的な効果においては両方向性を呈した。4 一次感覚野へのQPSの効果 運動野刺激での運動野の変化というhomotopicな効果の誘導以外に、感覚野でheterotopicな効果もQPSで誘導出来る事が判明した. 5 rTMSによるパーキンソン病治療 この研究の成果は、パーキンソン病の運動症状に対して、磁気刺激が有効である事を確認したことである。6 QPS前後での脳内連絡の解析:fMRIによるfunctional connectivity 今回の結果では両方向性が示された。すなわち、QPS5で運動野のLTPを誘導した場合は、対側運動野との連絡は弱くなり、被刺激運動野の独立生が高くなり、QPS50でLTDを誘導した時には逆であった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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