2011 Fiscal Year Annual Research Report
片頭痛前兆大脳皮質拡延性抑制が神経障害性疼痛を惹起する脳可塑性と疼痛制御系の解明
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22390182
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 則宏 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10158975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 利彦 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40265799)
柴田 護 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60286466)
小泉 健二 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (30439070)
舟久保 恵美 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (90548538)
鳥海 春樹 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (30528203)
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Keywords | 片頭痛 / 大脳皮質性拡延性抑制 / 三叉神経血管系 / 三叉神経節 / 三叉神経節 / TRPV1受容体 |
Research Abstract |
片頭痛は前兆から頭痛へ進展する時間経過を示す疾患である.前兆は可逆性の脳局在神経症状で持続時間は60分未満とされている.前兆の病態には大脳皮質性拡延性抑制(cortical spreading depression;CSD)が関与すると考えられている.CSDは一過性に神経細胞が脱分極したあと電気的活動に抑制された状態が15分から30分間継続する現象であり,可逆的な神経症状として出現する片頭痛の前兆を説明できる.一方,片頭痛における頭痛は,何らかの刺激が三叉神経節に作用すると脳硬膜および脳硬膜血管に神経原性炎症が生じ血管透過性の亢進,血漿蛋白の流出,プロトンの放出,血管拡張などが惹起され生じる可能性が考えられている.片頭痛患者に認められる前兆から頭痛発作への連続的な移行の機序については,CSDが三叉神経節を含む三叉神経血管系を活性化する可能性が示唆されるが,詳細には明らかにされていない.そこで本研究ではこの移行機序のメカニズム解明を目的とした.平成22年度は,CSD誘発後の三叉神経節におけるERKのリン酸化について検討し,CSDを誘発した動物群では誘発しなかった群(コントロール)に比較しERKのリン酸化が有意に増加することを明らかにした.本研究結果はCSDが三叉神経節を含む三叉神経血管系を活性化する可能性を示唆するものと考えられた.平成23年度は,三叉神経の末梢を刺激し,大脳皮質性拡延性抑制に対する影響を検討した.ラット顔面皮膚の三叉神経支配領域に侵害刺激の受容体であるTRPV1受容体のアゴニストであるカプサイシンを皮下注射しCSDを誘発するKC1溶液の濃度と,誘発されたCSDの持続時間をコントロール群(カプサイシンを皮下注射しない群)と比較した.この結果,三叉神経支配領域の侵害刺激は,コントロール群と比較し低濃度のKC1溶液でCSDを誘発し,さらにCSDの持続時間が有意に延長することを明らかにした.本研究結果は三叉神経末梢の活性がCSDの発生と持続に影響をおよぼす可能性を示唆するものと考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CSD誘発に関する計器の不具合により,研究がやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
CSD誘発に関する計器の整備を行い,その後,三叉神経脊髄路核におけるミクログリア細胞の発現について抗Iba1抗体を用いた免疫組織化学染色にて発現の増減を解析する.
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Research Products
(19 results)