2014 Fiscal Year Annual Research Report
片頭痛前兆大脳皮質拡延性抑制が神経障害性疼痛を惹起する脳可塑性と疼痛制御系の解明
Project/Area Number |
22390182
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 則宏 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10158975)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥海 春樹 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30528203)
清水 利彦 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40265799)
柴田 護 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60286466)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 片頭痛 / 大脳皮質性拡延性抑制 / HMGB1 |
Outline of Annual Research Achievements |
片頭痛は前兆から頭痛へ進展する時間経過を示す疾患で、その病態には皮質拡延性抑制(cortical spreading depression; CSD)が関与すると考えられている。最近、炎症性メディエーターであるhigh-mobility group box 1(HMGB1)は、様々な中枢神経疾患の病態に重要な役割を果たしていることが明らかにされているが、CSDがHMGB1の発現レベルに与える影響はこれまで検討されていない。そこでCSDが大脳皮質のHMGB1 mRNAの転写レベルに与える影響をin situ hybridizationで検討した。CSDを1回、5回誘発した雄性C57BL/6マウスにおいて大脳皮質のHMGB1 mRNA発現をin situ hybridizationで検討し、無処置マウスを対照として比較を行った。またニューロン、アストロサイトのマーカーであるNeuN、GS6の免疫染色を近接切片で施行し、HMGB1陽性細胞の同定も行った。CSD1回、5回誘発群では対照群と比較して有意にHMGB1陽性細胞が増加していた(対照493±111, 1回1162±284, 5回1453±407, mean±SD cells/mm2, n=3, p<0.05)。HMGB1シグナル強度はCSD1回誘発マウスは対照と比較して有意な変化はみられなかったが、5回誘発では有意なHMGB1発現上昇がみられた(p<0.05)。また免疫染色結果からHMGB1陽性細胞はNeuNの免疫染色パターンとの比較からニューロン主体と考えられた。以上よりHMGB1はCSDによって大脳皮質ニューロンにおいて転写誘導が亢進し、しかもその程度はCSD回数依存的であることが明らかとなった。CSDはHMGB1発現レベル上昇を介して大脳皮質ニューロンの機能に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(11 results)