2011 Fiscal Year Annual Research Report
個体老化・代謝に関連する新規分子の解析と高齢化社会での医療への応用
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22390186
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中神 啓徳 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 寄附講座教授 (20325369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樂木 宏美 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20252679)
勝谷 友宏 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授 (30311757)
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Keywords | 糖代謝 / インスリン抵抗性 / 寿命 |
Research Abstract |
メタボリック症候群の原因分子として、パーキンソン病の原因遺伝子として知られるアルファシヌクレイン(SCNA)に着目して、分子解明を行った。 a)中枢性代謝制御の視点からの解析 SNCA欠損マウスに脳特異的なSNCA過剰発現マウスを交配したマウスを作成して、個体代謝の解析を行った。血中のSNCA濃度は上昇を認めず、血中濃度は脳のSNCA由来ではないことが明らかとなった。SNCA欠損マウスでは高脂肪食負荷の後、耐糖能試験で高血糖および高インスリン血症を認め、インスリンに対する血糖の低下反応も減弱していたが、脳特異的なSNCA過剰発編マウスを交配することにより同様の試験で耐糖能の改善が認められた。その機序として、マウスの行動試験においてSNCA欠損マウスに比較して脳特異的な過剰発現マウスを交配したマウスでは行動量が増えていることが確認された。 b)末梢性代謝制御の視点からの解析 野生型とSNCA欠損マウスのそれぞれの骨髄を採取して、野生型からSNCA欠損マウスあるいはSNCA欠損マウスから野生型への骨髄移植を行った。血中SNCA濃度を測定したところ、野生型マウスの骨髄細胞をSNCA欠損マウスに移植したマウスでより高かったことが分かり、血中SNCAは骨髄細胞由来、おそらく赤血球・血小板に由来する可能性が高いと考えられた。現在、さらにこれらのマウスの糖代謝への評価を行っているが、骨髄移植のときの照射による影響でマウスの体重減少が認められるため、その条件検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SNCA欠損マウスおよび脳特異的な過剰発現マウスを交配したマウスを用いた解析が概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
論文化に向けてメタボリック症候群におけるSNCAの役割をできるだけ一元化して理解できるように研究の立案・遂行を行う。
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Research Products
(1 results)