2012 Fiscal Year Annual Research Report
個体老化・代謝に関連する新規分子の解析と高齢化社会での医療への応用
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22390186
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中神 啓徳 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 寄附講座教授 (20325369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樂木 宏実 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20252679)
勝谷 友宏 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (30311757)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 糖尿病 |
Research Abstract |
メタボリック症候群の原因分子として、パーキンソン病の原因遺伝子として知られるアルファシヌクレイン(SNCA)に着目して、分子解明を行った。 1)中枢性代謝制御の視点からの解析:SNCA欠損マウスに脳特異的なSNCA過剰発現マウスを交配したマウスを作成して、個体代謝の解析を行った。血中のSNCA濃度は上昇を認めず、血中濃度は脳のSNCA由来ではないことが明らかとなった。SNCA欠損マウスでは高脂肪食負荷の後、耐糖能試験で高血糖および高インスリン血症を認め、インスリンに対する血糖の低下反応も減弱していたが、脳特異的なSNCA過剰発編マウスを交配することにより同様の試験で耐糖能の改善が認められた。その機序として、マウスの行動試験においてSNCA欠損マウスに比較して脳特異的な過剰発現マウスを交配したマウスでは行動量が増えていることが確認された。 2)末梢性代謝制御の視点からの解析:SNCAが細胞内情報伝達系(PI3キナーゼ/Gab1/Akt)を活性化して、細胞内への糖の取り込むを上昇させることを前脂肪細胞培養系を用いて明らかとした。また、その上流の因子を探索したところ、LPAR2をノックダウンすることでSNCAによる細胞内情報伝達系の活性化が抑制されることを見出した。マウス個体においてもSNCAの静脈内投与によりによる脂肪組織・骨格筋でGab1/Aktの活性化が認められ、それぞれの組織への糖の取り込みも上昇していた。以上の結果から、SNCAはインスリンと同様に細胞への糖の取り込みを上昇させる作用があり、今後の病態との関連解析が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進行し、最初の課題に関して論文化できた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに遂行する。
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Research Products
(2 results)