2012 Fiscal Year Annual Research Report
CD26分子のヒト免疫系での機能解析と自己免疫疾患への臨床応用の基礎的研究
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22390200
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
森本 幾夫 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30119028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 哲史 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (00396871)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | CD26分子 / 共刺激 / 自己免疫疾患 / ヒト免疫系 / CD8T細胞 / GVHD / CD28分子 |
Research Abstract |
1.CD26由来共刺激CD4T細胞の細胞及び分子レベルでのメカニズムの研究は我々を含む多くのグループにより広範囲になされてきたが、CD26陽性CD8T細胞の役割についてはほとんど明らかにされていない。そこでCD26由来共刺激によるCD8T細胞のエフェクター機能について、CD28由来共刺激と比較して検討することにした。 CD26強陽性CD8T細胞は初期エフェクターメモリーT細胞に属し、CD26弱陽性CD8T細胞はナイーブT細胞に属していた。CD26由来共刺激CD8T細胞は、CD28由来共刺激と比してgranzyme B、TNF-α、IFN-γ及びFas-Lの産生亢進が認められ、これらにより細胞障害作用を発揮すると考えられた。さらにCD26由来による細胞障害エフェクター機能もCD28由来のそれと比して非常に促進しており、CD8T細胞においてCD26共刺激経路とCD28共刺激経路とは質的に異なっていることが強く示唆された。このようにCD26陽性CD8T細胞の更なる機能的研究は、新しいワクチン候補への免疫応答の研究や免疫病への革新的治療研究に有用であると考えられた。 2.ヒトPBLを免疫不全マウスに投与して作製したxeno GVHDモデルにヒト化CD26抗体を投与すると、生存期間の延長、体重減少、脱毛、関節炎などの軽減が認められ、ヒト化CD26抗体はこのモデルで有効なことが示唆され、またCD26陽性CD8T細胞が本抗体のターゲットとなっていることを昨年報告したが、実際の骨髄移植後の急性GVHD患者の皮膚組織、胃粘膜組織生検においてもCD26+T細胞の滲潤が認められ、CD26+T細胞が炎症のエフェクターとなっている可能性が示唆され、急性GVHD患者及び他の自己免疫疾患での治療薬としての臨床応用が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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