2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト免疫不全ウイルス複製能のヒト集団内における経年変化の解析
Project/Area Number |
22390203
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
三浦 聡之 長崎大学, 熱帯医学研究所, 客員教授 (00296576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 愛 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (10396880)
細谷 紀彰 東京大学, 医科学研究所, 助教 (30568928)
有吉 紅也 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30311400)
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Keywords | 国際情報交換 / HIV / 進化 / 複製能力 / 東南アジア |
Research Abstract |
ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency virus type I: HIV)は、宿主の免疫応答などの選択圧の影響で変異を獲得する。感染個体内で生じた変異はヒトからヒトへ伝播し、集団内に蓄積していくが、多くの変異はウイルス複製能にも影響を及ぼす。本研究では、HIV複製能のヒト集団内での経年変化を、試験管内で明らかにし、複製能の経年変化の原動力が、HLA拘束性CTL応答からの逃避変異であるか検討する。その結果から、HIVの将来の複製能を予測し、本ウイルスが、将来の地球規模の公衆衛生に与える影響を考察する。 平成23年度までに、日本におけるHIVの試験管内複製能力の変化については実験は完了し、論文の作成をした。日本国内のHIVの試験管内複製能力は経年的に低下してきていることが見出された。東南アジアのサンプルに関しては、チェンマイ大学との共同研究で施行しているが、現地での洪水等の影響で、実験試薬の供給、実験の施行に影響が出た。その後は、実験系を現地で流行するHIVサブタイプへ最適化を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タイ国における研究では、現地におけるコントロール不可能なトラブルなどに影響され、また実験系の現地での最適化に時間がかかったが、日本国内のサンプルに関しては、実験が完了し国際学会で口頭発表に採択され、論文投稿がされた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、投稿論文の出版までの完了、日本のウイルス遺伝子配列を用いて、細胞傷害性T細胞からの免疫逃避変異の集団レベルでの蓄積解析データの学会発表、論文投稿を行い、タイ国における実験を完了する。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] Replication capacities of chimeric NL4-3 encoding gag-protease from modern HIV-1 isolates are significantly reduced compared to those derived from isolates in the early days of epidemic in Japan2011
Author(s)
S. Nomura, N. Hosoya, T. Kikuchi, M. Koga, H. Nakamura, T. Koibuchi, T. Fujii, A. Kawana-Tachikawa, A. Iwamoto, T. Miura
Organizer
6th IAS Conference on HIVPathogenesis, Treatment and Prevention
Place of Presentation
ローマ, イタリア
Year and Date
20110717-20110720