2012 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達解析およびプロテオーム解析によるネフローゼ症候群発症機序の解明
Project/Area Number |
22390204
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Research Institution | 独立行政法人国立成育医療研究センター |
Principal Investigator |
五十嵐 隆 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (70151256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張田 豊 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10451866)
服部 成介 北里大学, 薬学部, 教授 (50143508)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 腎臓 / 蛋白尿 / 糸球体上皮細胞 / Nephrin / MYH9 / プロテオミクス |
Research Abstract |
腎糸球体上皮細胞の特有の細胞形態と細胞を繋ぐ接着装置であるスリット膜は糸球体濾過バリアーとして必須である。小児ネフローゼ症候群の治療法確立を目指すため、糸球体上皮細胞の構造と機能の視点からネフローゼ症候群発症機序についての分子レベルでの解析を行った。 <結果> 1)糸球体膜表面蛋白の網羅的解析を行い、スリット膜蛋白質が極めて早い時間でターンオーバーを起こしていることが明らかになった。このターンオーバーにより糸球体濾過障壁が詰まらないのではないかと仮説を立てて検討を行っている。ターンオーバーを司るメカニズムとして培養細胞上でNephrinのエンドサイトーシスとエクソサイトーシスをそれぞれ独立して観察する確立した。その結果ある酵素がスリット膜蛋白Nephrinのエクソサイトーシスを制御することを見いだした。この酵素の欠損マウスでは大量の蛋白尿が出現し、Nephrinの膜発現が低下していることからNephrinのターンオーバーの異常が蛋白尿を発症させることが示唆された。 2)糸球体上皮細胞の機能分子が実際にネフローゼ症候群患者でどのように変化しているかを調べるため腎組織の解析を行った。腎移植ドナー腎(健常腎)、微小変化型ネフローゼ症候群、巣状糸球体硬化症患者における糸球体上皮細胞機能分子の発現を蛍光染色で評価した。その結果巣状糸球体硬化症および一部の微少変化型ネフローゼ症候群患者においてMYH9の染色パターンが著しく低下することを明らかにした。同様の結果はラットネフローゼモデルにおいても確認された。この結果は糸球体上皮細胞の細胞骨格の変化、とくにMYH9の発現が本症の発症機序と関連することを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)