2010 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジー異常改善と脳特異的ペプチドによる新たなライソゾーム病治療法の開発
Project/Area Number |
22390207
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
難波 栄二 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 教授 (40237631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜垣 克美 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 准教授 (90294321)
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Keywords | ライソゾーム病 / 中枢神経障害 / 治療法開発 / オートファジー / ユビキチン / ミトコンドリア |
Research Abstract |
遺伝性ライソゾーム病の脳病態ついて、神経細胞ライソゾーム内の基質蓄積から細胞障害に至る分子機構の詳細は未だ不明である。我々のライソゾーム病神経細胞内のシグナル伝達異常に着目し、解析を行った結果、GM1-ガングリオシドーシスとI細胞病患者細胞内でのオートファジー異常が細胞機能異常に深く関わっている可能性を明らかにしてきた。オートファジー分解系はユビキチン分解系とともに細胞内蛋白質分解系として、特に神経細胞機能維持に重要であり、種々の神経変成疾患との関わりが示唆され注目されている。そこで、本年度はライソゾーム病神経細胞内の蛋白質分解異常の分子機構の解明を試みた。培養ヒト神経芽細胞株にライソゾーム由来コレステロール輸送阻害剤であるU18666Aを作用させた細胞を、ニーマン・ピック病C型モデル細胞とし、細胞学的な解析を行った。結果、モデル細胞内ではオートファジー関連蛋白質LC3、p62とともにユビキチン化蛋白質の異常蓄積を認めた。また、U18666Aとミトコンドリア膜電位阻害剤を作用させると、異常ミトコンドリアのライソゾーム内蓄積を誘導とともに、ヒストン脱アセチル化酵素蛋白質の異常蓄積を認めた。これらの結果は、ライソゾーム内コレステロール蓄積とミトコンドリア機能異常が密接に関連していることを示唆し、今後は、ミトコンドリア機能異常に関わる分子群の解明と、その機能改善による神経細胞保護効果について検討を進める予定である。
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