2010 Fiscal Year Annual Research Report
母胎間シグナルリレーの大脳皮質発生における生理学的意義
Project/Area Number |
22390216
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
八田 稔久 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20238025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 英理子 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00267741)
島田 ひろき 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60278108)
米倉 秀人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80240373)
東海林 博樹 金沢医科大学, 一般教育機構, 准教授 (10263873)
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Keywords | 副腎皮質ホルモン / 白血病抑制因子 / 大脳皮質 / 胎盤 / インターフェース |
Research Abstract |
当該研究課題は、母胎間LIFシグナルリレーが正常神経発生において機能する生理的なネットワークシステムであることを明らかにするため、以下のような検討を行った。 (1) マウス母獣へのLIF投与により、胎児脳におけるインスリン様成長因子(IGF)-1および2の発現亢進が確認された。このことから、母体LIF刺激に反応して、胎児大脳における神経幹・前駆細胞からIGF誘導され、これがauto/paracrine的に作用することで、細胞分裂が亢進するモデルが考えられた。 (2) 正常マウス胎児脳脊髄液中のIGF-1濃度を計測したところ、妊娠15日前後に濃度ピークが認められた。これは胎児大脳皮質の出現開始時期に一致している。 (4) 胎児側のLIFソースである有核赤血球は、ACTHに反応して脱核することが明らかになった。母体からのLIFシグナルが、胎児大脳の発生を誘導すると同時に、胎児赤血球の分化も調節している可能性が示された。 (5) 母体-胎児間のLIFシグナルリレーを切断する動物モデルを構築するために、レンチウイルスにPomc shRNAを組み込んだノックダウンベクターの作成を検討した。培養絨毛幹細胞に対するPomc発現抑制効率は約30%程度であり、抑制効率の改善が必要であることが示された。 (6) マウス胚盤胞の培養から培養胚の仮親子宮への移植手術までの一連の実験系が確立した。これは胎盤絨毛選択的なノックダウンモデルを作成するために必須な実験系と位置付けられる。
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Research Products
(16 results)