2012 Fiscal Year Annual Research Report
母胎間シグナルリレーの大脳皮質発生における生理学的意義
Project/Area Number |
22390216
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
八田 稔久 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20238025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 英理子 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00267741)
東海林 博樹 金沢医科大学, 一般教育機構, 准教授 (10263873)
島田 ひろき 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60278108)
米倉 秀人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80240373)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 母ー胎児間シグナル / 白血病抑制因子 / インスリン様成長因子 / 副腎皮質刺激ホルモン / 神経幹細胞 / 大脳皮質 / 胎児 / 胎盤 |
Research Abstract |
母胎間LIFシグナルリレーが生理的なネットワークであることを明らかにするため、以下の研究を行った。正常ラット胎児脳脊髄液中のLIF 、インスリン様成長因子1および2(IGF1/2) 濃度をELISAにて計測した。LIFのピークは胎齢15日に認められ、 IGF1/2のピークは胎齢16日に認められた。母体LIF刺激後の胎児大脳ではIgf1/2 mRNAの発現が亢進した。In utero法にて胎児脳室内へ直接LIFを注入すると、大脳でIgf1/2 mRNAの発現が亢進した。一方、胎児脳室内に抗LIFR中和抗体を注入すると、母体をLIF刺激しても胎児大脳におけるIgf1/2mRNAの発現亢進は認められなかった。Neurosphereを用いた解析では、LIFの添加により神経幹細胞においてIGF1/2の発現が誘導された。また、FGF2の神経幹細胞に対する細胞分裂促進作用は、LIF存在下のほうが非存在下よりも有意に強く、IGF1中和抗体存在下ではLIFの増強作用が消失した。これらの結果から、母胎間LIFシグナルリレーはIGF1/2を介して大脳皮質形成に作用していることが明らかとなった。 さらに,母体LIFシグナルにより胎盤から誘導されるACTHが、胎児大脳だけではなく赤芽球の分化調節に関与していることが明らかとなった。メラノコルチン受容体1-5の働きが赤芽球の分化ステージにリンクしている可能性が示唆された。臍帯血由来造血前駆細胞から誘導した赤芽球培養系を用いたin vitro実験系において、メラノコルチン受容体に対する中和抗体あるいは阻害剤でACTHシグナルを遮断することにより、赤芽球の脱核率低下を確認することができた。 以上の結果より、母胎間LIFシグナルリレーを主軸とする胎児大脳と赤血球の同調的な発生調節システムの存在が推定された。これらの研究成果は現在論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)