2012 Fiscal Year Annual Research Report
精神病発症リスク群と初回精神病の予後予測法の確立:リスクと予後の多次元評価モデル
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22390219
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 和紀 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40301056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 洋夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00173815)
麦倉 俊司 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20375017)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 早期精神病 / 早期介入 / At Risk Mental State / 予防精神医学 |
Research Abstract |
本年度は、ARMS(At-Risk Mental State)とFEP(First Episode Psychosis)についてデータを蓄積するとともに、これまでのデータをまとめる作業を行った。また、対照となる健常者についてのデータ集積を行った。 2004/11/05~2012/10/15の期間にSAFEでARMSと判定された116名中、追跡を開始した者は107名(男性:女性=38:69、平均年齢20.0±4.4歳)で、このうち精神病移行は15名(14.0%)であった。また、FEPは64名が集められた。 ARMS、FEP、対照群でMRIの体積測定が可能であった者はそれぞれ41人、29人、26人であった。ARMSが controlより体積が減少していた部位は、右上側頭回、左中心前回で、FEPがcontrolより体積が減少していた部位は、左島、右下前頭回、FEPがARMS より体積が減少していた部位は左上側頭回であった。インテイク時の認知機能はARMSとFEPに差を認めなかったが、6ヶ月後、12ヶ月後ではARMSでは認知機能の改善を認めたが、FEPでの改善はこれよりも乏しく成績はARMSと比べ低い値となった。ARMSでは、インテイク時の弱い陽性症状の数が多いほど、精神病への移行リスクが高く、認知的洞察における自己確信性が高い群での移行が高い傾向が認められた。 これまでの結果から、ARMSにおいてはインテイク時では、自尊心、認知的洞察、抑うつなどの症状はFEPと同等以上に悪く、また、認知機能はFEPと同等であった。しかし、経過の追跡によりARMSでは全体としては症状が比較的速やかに改善するが、FEPでは認知機能障害が残遺すると考えられた。また、FEPはARMSと比較して左上側頭回の体積が小さく、両者を判別する指標となりうる可能性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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