2011 Fiscal Year Annual Research Report
メニエール病診療に革新的進歩をもたらす先端磁気共鳴画像診断法の開発と確立
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22390233
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長縄 慎二 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50242863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 務 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30180277)
二橋 尚志 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00426496)
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Keywords | 受信コイル / 内リンパ / 外リンパ / メニエール病 / 磁気共鳴画像 / ガドリニウム造影剤 |
Research Abstract |
3テスラMRI用内耳専用受信コイルを開発し、ファントムとボランティアで性能評価した。従来、もっとも優れていた32チャンネル頭部コイルに対する優位性を確認して、磁気共鳴医学会にて発表した。このことは、より侵襲性の低い通常量ガドリニウム造影剤静脈内投与による内リンパ水腫描出に、極めて重要である。さらにパルスシークエンスの最適化も進め、内リンパ、外リンパ、骨の3種の区別をつけるべく、反転時間を調整して、外リンパ陽性画像、内リンパ陽性画像の取得を通常量ガドリニウム造影剤静脈内投与によって達成した。通常量ガドリニウム造影剤静脈内投与による撮像はすでに150例以上の臨床例を経験し、9割以上の成功を収めている。これにより、様々な臨床的指標との相関を検討し、多くの欧文論文が生まれた。さらに内耳迷路のガドリニウム造影剤動態を注入法ごとに解析を進め、北米放射線学会で発表した。これにより、いままで厚いベールに覆われていた内耳のホメオスタシスに光を当て始めることができた。これについても論文を作成中である。 内耳撮影時に副次的に観察できる前眼房や脳脊髄液腔、視神経周囲くも膜下腔などへのガドリニウム造影剤移行についても検討をつづけており、新たな展開も模索している。また同時に得られる脳幹部の高分解能拡散強調画像においても脳幹構造の新たな知見を見出し、国際磁気共鳴医学会で発表し、英文論文として発表した。耳鼻科医のみでなく、神経内科医も興味を持ち、神経内科の患者の撮像も行い始めた。 以上のように、波及効果の大きく、実りの多い研究を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際学会発表や英文論文発表が順調に続いている。
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Strategy for Future Research Activity |
内リンパ、外リンパ、骨の3種の区別をつけるべく、反転時間を調整して、外リンパ陽性画像、内リンパ陽性画像の取得を通常量ガドリニウム造影剤静脈内投与によって達成したが、さらに観察を容易にするため、画像処理によって、2つの画像を一枚の画像として、表示することに挑戦する。その方法で、内リンパ水腫判定がより、容易に確実になることを確認して、発表を行う予定である。患者データの集積は順調に進んでいるのでさらに継続して行い、問題点を抽出して対応を検討する。
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